ニューヨーク発 - 肥満人口の増加は、公衆衛生上の大きな問題となっており、社会的な注目度が高まるなか、啓発活動も盛んに行われています。しかし、このような取り組みにもかかわらず、世界保健機関(WHO)は、世界の成人肥満人口が2005年の4億人から2015年には7億人に増えるとの見通しを示しています。こうしたなか、多くの人々が最後の手段として注目しているのが肥満症治療手術です。この手術は、ほとんどの人にとって、緊急性の低い待機手術に区分されるものですが、景気の回復が遅れているにもかかわらず、需要が落ち込む気配はありません。医療関連の市場を専門とする調査会社Kalorama Informationが発行した調査報告書「Obesity, Weight Loss and Diet Management Markets (Pharmaceutical, Surgical and Dietary Approaches)」は、肥満治療をめぐるこのような現状を詳細に分析しています。
肥満症治療手術の件数は、過去15年にわたって着実に増えており、この間の年平均成長率は20%に達します。1993年に行われた手術の件数はごくわずかでしたが、2009年には35万件に達すると見られており、これに伴って、肥満症治療手術で使用される手術用機器の売上高も、対前年比21.6%アップの5億1,700万ドルになる見通しです。売上高の伸びは、2007年から2008年までの時期と比べ若干減速するものの2桁台の成長率は維持されており、Kaloramaでは、2013年までの年平均成長率を13.4%と予想しています。なお、肥満症治療手術を受ける人の多くは女性であり、とりわけ30代後半から40代前半までの女性が顕著です。
Kalorama Informationのアナリスト、Melissa Elder氏は、「現在も多くの人々が肥満と戦っていますが、健康面での危機は際限なく広がっており、肥満症治療手術の件数も増え続けると予想されています。こうした状況は、これらの手術で使用される機器のメーカーにも大きなビジネスチャンスをもたらすはずです」と語っています。
Kalorama Informationは、肥満症治療手術全体のおよそ40%が胃バンド手術であると見ています。胃バンド手術の市場は、肥満症治療手術の市場で最大のシェアを占めており、手術用機器の売上高の90%以上がこの市場から生まれています。なお、胃バンド手術以外の肥満症治療手術としては、胃内バルーン留置術や縫合術などがあります。現在、肥満症治療手術用の機器開発で市場をリードしているのはAllerganで、同社の胃バンド器具Lap-Bandは、1993年以来世界各国で45万セットが販売されたと言われています。
【 英文市場調査報告書 】
Obesity, Weight Loss and Diet Management Markets (Pharmaceutical, Surgical and Dietary Approaches)
肥満・減量・食事管理市場(医薬品、手術、食餌療法)
http://www.gii.co.jp/report/kl104939-obesity-weight-loss.html
出版社Kalorama Information
出版日2009/12
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http://www.gii.co.jp/topics/PH07_jp.shtml
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