バージニア州グレンアレン:バージニア州を拠点とする市場調査会社NanoMarketsが発行したレポートによれば、スマートグリッドのインフラ要件は、新しい化合物半導体や最新のナノマテリアルなどの各種最先端材料のサプライヤーに大きな市場機会を創出するだろうと伝えています。同書「Opportunities for New Materials and Devices in the Smart Grid: 2010 to 2017(スマートグリッド向け新材料・デバイスの市場機会:2010-2017年)」はまた、新しいスマートグリッドインフラ製品は、コンポーネンツ、ワイヤー、ケーブル、ストレージデバイス、碍子などのサプライヤーに120億米ドル規模の収益機会を創出するだろうとも報告しています。
同書の主要調査結果:
● スマートグリッドにおけるコンポジット材料の利用は、現在より一層大きな電流・電圧による送電を可能にするでしょう。これらの材料は、従来の伝送ケーブルの2-4倍のキャパシティを提供するコンポジットケーブルという形ですでに違いをもたらしています。今後数年のうちに、耐電圧特性、絶縁破壊強度、コンポーネントサイズ、エージング特性が大幅に向上したナノコンポジット誘電体がグリッド用碍子のフィラーとして利用されるようになるでしょう。このような"ナノ誘電体"は、2017年には5億ドルを超える収益規模になると予測されています。
● グリッドパワーエレクトロニクスデバイスにおいては、すでにシリコンとシリコンカーバイドの交換が始まっており、窒化ガリウム、酸化亜鉛、工業用ダイアモンドへの交換も今後進められていくでしょう。こういった材料を利用したデバイスを利用することで、電力グリッドではより多くの電力の送電が可能となり、現在のグリッドインフラと比較して、より少ないスイッチングデバイスのみを必要とするようになります。この結果、スイッチング損失は同等のシリコンデバイスの約半分になると伝えられています。2017年には4億ドル以上のシリコン以外のパワーエレクトロニクスデバイスがグリッド用途として販売されるだろうとNanoMarketsは予測しています。
● スマートグリッド向けの超電導ケーブルおよび限流器(FCL)への投資額は、2017年には約3億5,000万ドルの規模になると予測されています。この超電導ケーブルは、初期にはグリッド相互接続部などの戦略的エリアにおいて短距離で利用される見込みですが、価格の低下が予測されるため、最終的には長距離伝送システムへと普及していくでしょう。スマートグリッドケーブルに超伝導体が導入されれば、線路損失の削減、安定的な電圧の確保、許容電流を拡大が実現するでしょう。唯一、ナノチューブワイヤーだけは超伝導体を超える高伝導性を確実視されていますが、ナノチューブワイヤーの導入はまだ当分先のこととなりそうです。
【 英文市場調査報告書 】
Opportunities for New Materials and Devices in the Smart Grid: 2010 to 2017
スマートグリッド向け新材料・デバイスの市場機会:2010-2017年
http://www.gii.co.jp/report/nan102480-smart-grid.html
出版社NanoMarkets
出版日2009/12
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