米国バージニア州グレンアレン発:ナノテクノロジー分野を専門とする米国の調査会社NanoMarketsが発行したナノ結晶(クリスタル)シリコンデバイスおよびプリンテッドシリコンデバイスの市場に関する調査報告書「Opportunities for Nanosilicon: 2009 to 2016」では、太陽電池やメモリー、ディスプレイバックプレーン、RFIDデバイスなどで使用されるナノ結晶シリコンデバイスとサブシステムの市場を分析し、今後8年間の見通しを示しており、ナノ結晶シリコン製品の売上高は2016年の時点でおよそ21億ドルに達すると予想しています。
主な調査結果:
ナノシリコン市場のなかで最も規模が大きくなると見られているのは光電池関連の市場であり、2016年の売上高は15億ドルを超える見通しです。同報告書によると、ナノシリコン太陽電池技術はまだ黎明期を脱していないものの、折り曲げ可能な薄膜太陽電池の開発に取り組んでいる企業が現在直面している困難な課題はある程度解決できると期待されています。ナノシリコン太陽電池は、CIGSや有機太陽電池に比べカプセル化がはるかに容易で費用も抑えられるうえ、アモルファスシリコン太陽電池に比べ変換効率も高いとされています。
一方、不揮発性メモリー業界は、従来の浮遊ゲートメモリー技術の限界を超える水準までメモリーアレイを拡張できるようにするための技術を捜し求めています。この課題に対する解決策の1つが、シリコンナノ結晶を浮遊ゲートとして使用することで、電荷保持能力を強化し、電荷の漏洩を防ぐのに必要なゲート酸化物の厚みを減らすという方法です。ナノ結晶シリコンを使用した浮遊ゲートメモリーによってもたらされるデバイスレベルの売上高は、2016年に3億ドルを優に超える見通しです。
ナノシリコン薄膜トランジスタ(TFT)には、多くの長所があり、低コストの素材と蒸着法を用いて製造できるなど、有機TFT(OTFT)の長所と重なり合う部分も少なくありません。そのうえナノシリコンTFTは、OTFTよりもはるかにパフォーマンスが高く、湿気や空気に対する耐性も優れています。NanoMarketsでは、今後RFID用ナノシリコンTFTが従来のRFID用シリコンソリューションに対するコスト面での競争力を急速に高めると予想しています。ナノシリコンTFTバックプレーンとRFIDタグを合わせた市場の規模は、2016年の時点でおよそ3億1,500万ドルになると予想されています。
【 英文市場調査報告書 】
Opportunities for Nanosilicon: 2009 - 2016
ナノシリコン市場の機会:2009~2016年
http://www.gii.co.jp/report/nan98942-nanosilicon.html
出版社NanoMarkets
出版日2009/09
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http://www.gii.co.jp/topics/EL09_jp.shtml
http://www.gii.co.jp/topics/MR10_jp.shtml
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