世界中でペットを飼う人が増え、オーナーとペットとのつながりが強くなったことで、コンパニオンアニマルのための医薬品市場は着実に拡大しています。これにより企業は癌治療や関節炎治療から犬や猫のマッサージ、鍼治療、専門サービスに至るまで、ペットケア・ラグジュアリーサービス拡大に向け取り組みを始めています。しかしライフサイエンス市場調査会社Kalorama Informationが発行した報告書「World Veterinary Health Products (Animal Pharmaceuticals, Vaccines, OTC and Performance Enhancers)」によると、価格差や販売ネットワークの向上によって、ペットオーナーの多くが獣医に診療してもらうより、直接OTC薬を買いに走る傾向が強くなることを示唆しています。
処方薬の価格は、次第に価格に敏感な消費者をOTCブランド薬へ眼を向けさせることとなり、この傾向は現在の不況によってさらに増幅しています。また、抗寄生虫薬や関節可動性治療薬など、ペット用ニュートラシューティカルの需要が高まったことから、OTC薬の拡大を加熱させています。Kaloramaでは、現在49億ドルであるOTC薬市場は、2014年まで年率5.2%で成長すると予測しています。
OTCメーカーとの提携によって、自社製品のOTCブランドを別に立ち上げるメーカーもあります。例えばMerialは、ペットケアの中でも抗原虫薬において処方薬市場とOTC市場の双方で競争するためにIvemectinブランドのOTCバージョンを投入しました。
多くの動物用医薬品は、人間用の医薬品を変換させたものであるため、動物用医薬品メーカーの多くは、規模の大きな企業の中の小さな事業部として拡大してきました。しかし今、こうしたメーカーは研究開発費や薬価設定の圧力、新製品の技術革新の伸び悩み、ジェネリック医薬品の脅威、消費者の価格意識によるOTC製品への移行といった、親会社が経験したことと同じ問題に直面しています。
【 英文市場調査報告書 】
World Veterinary Health Products (Animal Pharmaceuticals, Vaccines, OTC and Performance Enhancers)
世界の動物医療用製品(動物用医薬品、ワクチン、OTC薬、能力向上薬)
http://www.infoshop-japan.com/study/kl86309-veterinary-health.html
出版社Kalorama Information
出版日2009/05
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