商用組み込みモバイルソフトウェアの市場規模は、2008年の時点で13億ドルを超えており、2013年にはおよそ20億ドルに拡大する見通しです。電子機器などの市場に詳しい米国の調査会社VDC Research Groupは、このほど発行した調査報告書「THE MOBILE SOFTWARE STACK GLOBAL MARKET ASSESSMENT - THIRD EDITION」のなかで、このような見解を示しています。
携帯端末市場は、全般的に減速傾向にありますが、組み込みソフトウェアソリューションの売上高は伸びており、とりわけ次世代データサービスの牽引役になると位置づけられているデバイスには、通信事業者も熱い視線を注いでいます。基本的な音声サービスの月間通信事業収入(APRU)が下がり続けるなか、新たな収入の柱を見つけるという大きな課題に直面している通信事業者は、モバイルソフトウェア分野への投資に、防衛的な性格と戦略的な性格の両方を付与しているのです。
VDCの調査報告書は、モバイルソフトウェア市場における近年の重要な動きとして、以下の点を指摘しています。
・OSの陳腐化-オープンソース製品への移行が進むなか、モバイルOSの機能と一部のミドルウェア機能は、今後も陳腐化していくと思われます。OSに搭載されている基本機能の大半は、OHAやLiMoなどのコンソーシアムを通じてすでに広く普及しており、最近ではミドルウェアレイヤでも差別化が難しくなりつつあります。・仮想化のトレンド-2009年は、携帯電話におけるOSの仮想化という点で重要な年になると見られており、すでに仮想化技術が急速に普及しつつあることをうかがわせる各種の指標も現れています。
・クロスプラットフォーム技術の可能性-モバイルソフトウェア市場では、さまざまなプラットフォームで堅牢性の高い統一的な使い勝手の製品を投入し、こうしたソリューションを中心にブランドに対する強固な支持基盤を構築することができるベンダーが、確固たる地盤を築くことになると思われます。
【 英文市場調査報告書 】
THE MOBILE SOFTWARE STACK GLOBAL MARKET ASSESSMENT - THIRD EDITION
世界のモバイルソフトウェア市場:第3版
http://www.gii.co.jp/japanese/vd83153-mobile-software.html
出版社VDC Research Group
出版日2009/01
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