医療用X線分野では従来のフイルムからデジタル画像に移行してきており、病院では様々なベンダーから多種多様なシステムやコンポーネントを購入しています。このような中、システム間の相互運用性問題が急浮上しているとライフサイエンス市場の調査を専門とする調査会社Kalorama Informationは、報告書「Medical Imaging Markets, Volume I: Radiography (X-Ray, Digital X-Ray, Fluoroscopy, Mammography, and CT Markets)」の中で指摘しています。また、デジタル画像診断への動きは、電子カルテのデジタル化による医療の効率性向上の取組みとも密接に関連しています。
病院では様々なベンダーから設備を購入しており、X線やCTスキャン、PETスキャンなどの画像診断装置と接続しデータサーバーから即時にアクセスできるよう画像保管通信装置(PACS)により院内ネットワークを構築しています。これは医療用画像診断装置ベンダーにとって、統一したユーザーインターフェースをもつ相互運用可能な設備の開発を促進する動きとなっています。
デジタル化はフイルム現像時間を削減するだけでなく、数年にわたって大規模な保管設備での保管が必要なX線に要するコストを削減することで医療の効率化につながります。また、診断装置をより迅速に使いこなすことで、診断や治療を容易にし、医療記録や診断画像のネットワーキングによって遠隔診断を現実のものとします。これは遠隔医療やビデオマルチメディアカンファレンスの拡大に貢献します。
デジタル装置の初期投資としては高額となり、これが導入率を阻害している部分もありますが、運転コストは標準的X線装置のコストより安価となります。従来のフイルム型X線装置の価格は20,000~80,000米ドルですが、デジタル装置は180,000~500,000米ドルとなります。しかしコスト高である分、相当の処理量となっています。
【 英文市場調査報告書 】
Medical Imaging Markets, Volume I: Radiography (X-Ray, Digital X-Ray, Fluoroscopy, Mammography, and CT Markets)
世界の医療用画像市場(第1巻):放射線(X線・デジタルX線・蛍光透視・マンモグラフィー・CT)
http://www.infoshop-japan.com/study/kl81774-radiography.html
出版社Kalorama Information
出版日2009/2
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