市場が飽和状態となり、競争の激化や不況により、通信会社(テレコム、インターネットサービスプロバイダー、携帯電話会社)は加入者一人当たりの平均売上増を模索しています。リモートビデオモニタリング・監視システム(RVMaS)がその解決策となるかもしれません。RVMaSとは、ネットワークカメラソリューションで、エンドユーザーが離れたところからライブまたは録画された映像を見ることができ、セキュリティ目的やそれ以外の用途に用いられるものです。英国の調査会社IMS Researchが発行した報告書「The World Market for Remote Video Monitoring and Surveillance - 2009 Edition」では、世界の家庭用RVMaS市場の年間収益は2008年におよそ1億5,800万米ドルになったと伝えています。また控えめな予測においても、同市場は2013年までに3倍の規模に拡大すると同社は見ています。
なぜ次なる目玉商品が必要なのでしょうか。通信会社は現在世界的に低迷しているブロードバンドの成長率や、減少する固定電話加入者数への対応が迫られています。この低迷するビジネスセグメントに対応するために、通信会社は新たなサービスまたは複合サービス/セット商品顧客に提供しようとしています。現在、インターネット、電話、テレビ、携帯電話のセットサービスが多くの通信会社によって行なわれています。加入者一人当たりの平均売上増を狙って、顧客を確保し加入者数を増やすためにも、通信会社は革新的な新製品の発売を模索しているのです。こうした中、家庭用RVMaSは多くの通信会社に次なる目玉商品として期待されています。
なぜRVMaSなのか?ネットワークカメラを用いるRVMaSは次の理由で通信会社が注目しています。その理由とは、取り付けが簡単であること(自分で取り付けが可能)、他の製品やソリューションとの相乗効果(家庭用ゲートウェイ、ホームオートメーションなど)、そして並行して他のサービスの収益を創出できること(例えばブロードバンド帯域幅拡大、ワイヤレスデータなど)です。RVMaS製品は現在Axis、D-Link、Linksys、Logitech、パナソニックなどが販売しており、AT&T、China Telecom、TeliaSonera、NTTといった通信会社が提供するソリューションのサービスエレメントが付いています。現在小売チャンネルやセキュリティ再販業者を通じて入手可能であるこの製品やサービスが着実に拡大している一方で、通信会社がRVMaSサービスを提供できるようになることは、今後この市場において機会を模索する上で重要な鍵となるでしょう。
【 英文市場調査報告書 】
The World Market for Remote Video Monitoring and Surveillance - 2009 Edition
世界の遠隔ビデオモニタリング・監視市場:2009年
http://www.infoshop-japan.com/study/iz81808-remo-video-monitori.html
出版社IMS Research
出版日2009/01
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