調査会社NanoMarketsは、薄膜太陽電池(TFPV)と有機太陽電池(OPV)材料市場に関する最新の調査報告書「Materials Markets for Thin-Film and Organic Photovoltaics」を発行しました。不況の影響により、薄膜太陽電池の成長は停滞する見込みですが、同市場は依然として材料メーカーにとって魅力ある市場であり、同社の分析および予測によると、2011年には24億米ドルの収益を上げ、2015年には75億米ドルをわずかに下回るまでに成長すると見込まれています。
[主な調査結果]
NanoMarketsは現在の金融危機によって太陽光発電のための材料開発が後退すると予測しており、セレニウム調合法の開発などのCIGS分野での取り組みが遅延する見込みです。そのため、OPV材料の改良にも影響し、現在の低変換効率を下回る恐れがあります。さらに、セレン化カドミウムや硫化カドミウム、テルル化カドミウムナノ結晶などのいわゆる第3世代太陽電池材料の研究にも影を落とすでしょう。こうした現状が従来の結晶シリコン太陽電池を犠牲にして行なわれてきたTFPVの進化を停滞させるでしょう。
また同社の予測では、アモルファスシリコン(a-Si)材料が今後数年にわたりTFPV/OPV部門を独占し続け、同分野に販売される材料の収益の半分以上を占める見込みです。a-Si用のシランガスおよびその他の材料の売上は2011年に11億米ドルになると予測されています。新たなTFPV材料の開発業者の現状は短期的には思わしくないとはいえ、NanoMarketsはこれらの材料が2~3年後には新たに大きな需要に直面し、その結果、従来のエネルギー源価格において状況は飛躍的進歩を遂げると予測しています。それゆえ、同社は最新の太陽電池材料の開発プログラムを維持しつづけることのできる企業が長期的には利益を生むとみています。
【 英文市場調査報告書 】
Materials Markets for Thin-Film and Organic Photovoltaics (Revised)
薄膜・有機太陽電池の材料市場
http://www.infoshop-japan.com/study/nan77630-thin-film.html
出版社NanoMarkets
出版日2009/01
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