通信分野を専門とするスウェーデンの調査会社Berg Insightは、このほど発行した最新の調査報告書「Personal Navigation Devices」のなかで、欧州と北米におけるパーソナルナビゲーションデバイス(PND)の出荷台数が今後10年間を通じて伸び続けるとの予測を明らかにしました。PNDの出荷台数は、2012年に5,600万台まで急増しますが、その後は落ち着いた動きになると見られています。一方、製品の価格は徐々に下がり始めており、早くも2009年の段階で売上高が減少に転じる見通しです。
Berg Insightのシニアアナリスト、André Malm氏は、「近年PND市場は、社会現象と呼べるほどの大成功を収めてきました。2004年にこの市場が誕生したとき、出荷台数はほとんど0でしたが、2008年にはおよそ3,700万台にまで増えています。PNDの普及拡大は今も続いており、これからもさまざまな技術革新が期待できますが、この市場に参入しているどの企業にとっても、この先利益の確保は難しくなっていくでしょう」と語っています。
Berg Insightは、PND市場減速の主な要因として、エントリーレベルデバイス市場における競争の激化と製品の陳腐化をあげています。またこの市場は、消費支出の変動に影響されやすいという問題も抱えています。このためベンダー各社は、しっかりとした収入源を確保することができる付加価値の高いサービスに力を注ぐようになると見られています。モバイルブロードバンド接続機能を搭載したデバイスの重要性が大幅に高まると予想されているのはこのためです。
「インターネットがナビゲーション業界を発展させていく大きな力になるでしょう。ライブマップや交通情報サービスは、ドライブの様相を大きく変える可能性を秘めています。走行中の車内で、関連する情報をPNDに集約することができるようになれば、安全かつ経済的で、環境負荷の少ないドライブが可能になるからです」とMalm氏。
【 英文市場調査報告書 】
Personal Navigation Devices
パーソナルナビゲーションデバイス市場
http://www.gii.co.jp/japanese/ber77959-pers-navi-devi.html
出版社Berg Insight AB
出版日2008/11
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