今後10年間で新たに1,500以上のトランスポンダーがリースされ、売上高は1,290億ドルを突破
衛星通信を専門とする米国の調査会社Northern Sky Research, LLC(NSR)は、このほど発行した調査報告書「Global Assessment of Satellite Demand, 5th Edition」のなかで、経済危機が深刻化し世界的に多くの業界が業績不振にあえぐなか、商業衛星用トランスポンダーのリース市場では今後も比較的好調な状態が続くとの見通しを示しています。この報告書は、今後10年間の世界市場における各種用途向け商業衛星の需要と供給の動向を最も完全な形で調査したものです。
NSRによると、2007年から2017年までに世界各地で発生するCバンドおよびKuバンドの商業用トランスポンダーに対する需要は、36MHzトランスポンダー換算で1,500本を上回り、売上高も年平均4.5%の成長率が見込めるといいます。この10年間で新たに生じると思われるトランスポンダー需要の大半は、各種の映像サービスに関係するものであり、この間新たにリースされるトランスポンダーの83%は、動画配信、Direct-to-Home(DTH)、動画投稿/随時使用テレビなどのサービスで利用される見通しです。
衛星業界にとって今最も重要なのはDTHサービスの市場です。新たなDTHプラットフォームに対応するトランスポンダーの需要が見込めるだけではなく、DTHがケーブルサービスとIPTVサービスの競争を促すことで、高画質チャンネルおよびHITS(Headed-in-the-Sky)などの標準画質チャンネルに対応する新たなトランスポンダーの需要が喚起されるからです。また、ニュース番組やスポーツ番組が今後も視聴率争いを続けるなかで、新たな加入者の獲得や既存加入者の維持に貢献するような優れたコンテンツが生まれる可能性もあります。NSRは、この市場における唯一の懸念材料として、現在の経済危機がさらに深まり、DTHプラットフォームが統合化されてしまう可能性を指摘しています。
収益面に関してNSRは、商業用CバンドとKuバンドのトランスポンダー・リース事業の売上高が、2007年の83億3,000万ドルから2017年には129億ドルに拡大するとの見通しを示しています。料金を大幅に値下げするという手法が完全になくなることはないものの、コストを下回る料金設定にした場合、すべての当事者に悪い影響が出るという教訓が業界内の一般的な原則として定着しつつあるため、平均的なリース料金は、今後数年間世界のほとんどの市場で徐々に上がっていく見通しです。
【 英文市場調査報告書 】
Global Assessment of Satellite Demand, 5th Edition
世界の衛星トランスポンダー需要の評価:第5版
http://www.gii.co.jp/japanese/ns78388-satellite-dem.html
出版社Northern Sky Research, LLC
出版日2008/12
【 本件に関するお問合せ先 】
株式会社グローバル インフォメーション
〒215-0004 川崎市麻生区万福寺 1-2-3
アーシスビル 7階
担当: 営業1課
E-mail:sl1@gii.co.jp
電話: 044-952-0102
FAX: 044-952-0109