2008年10月08日 11:00

【調査分析】働き盛りの30歳代のやる気・モチベーションが低い理由

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株式会社マネジメントベース(本社:東京都文京区)では、昨年実施したアンケート調査結果等を基に詳細な分析を実施、30歳代の社員のやる気・モチベーションが低い原因を探りました。その結果、深刻なポスト不足を背景に従来の働き方が社員や組織の能力を発揮させる上でうまく機能しにくくなっているのではないかという問題が明らかになりました。

昨年弊社で実施した調査や、他の機関(※注1:東京海上日動コンサルティング 2008/08/29)から最近出されている調査結果を見ると、働き盛りの30歳代のやる気やモチベーションが低いという結果がみられます。その原因を探ると深刻なポスト不足を背景に従来の働き方が社員や組織の能力を発揮させる上でうまく機能しにくくなっているという問題が明らかになりました。

年代別今の仕事に対するモチベーション

20歳代から50歳代まで正社員5000名に聞いたところ。仕事に対するモチベーションが高いという設問に対して肯定的な回答者の割合が最も低かったのは30歳代で約30%でした(下記、グラフ)。

30歳代の中でも役職についていない層が低下の要因となっている

30歳代の結果をさらに職位別に分解すると、係長や課長といった役職についていない一般社員層(非役職者)のモチベーションが目立って低く、この層の落ち込みがトータルでの30歳代のモチベーションを押し下げていることがわかりました。(詳細グラフは弊社サイトに掲示)




背景にあるポスト不足。以前に比べて30歳代で係長・課長といった役職に付く人の割合が低下している

厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、係長についている人の割合は、平成13年-平成18年の5年間で、30歳代後半では18.2%->16.2%と約2ポイント低下。同じく30代前半では1ポイント低下しています。 (詳細グラフは弊社サイトに掲示)

また、1990年まで遡り賃金構造基本統計調査結果を調べた第一生命経済研究所(※注3)のレポートによると、この15年の間、30歳代後半で約7ポイント、30歳代前半で約5ポイント低下しています。また課長につく人の割合も30歳代後半で15%超から約5ポイント近く低下しており、この十数年ポスト不足が進んできたことが伺えます。




現在の30歳代は少数精鋭で頑張ってきた層。それにも関わらず報われていない、報われそうにない現実

現在の30歳代について入社からこれまでの時代背景を振り返ると、彼らは1990年代バブル崩壊後の就職氷河期に少数精鋭で入社し、経済環境も厳しい中で頑張ってきた層と考えられます。


それにも関わらず彼らが30代に達し係長・課長といったポストが見えてくる年代になり、待ちうけていたのは、経済環境に影響を受けて歪んだ社内人口ピラミッドからくるポスト不足でした。

また、将来を見通した際にも、バブル入社組の先輩たちの数が多く世代的に重いことからポストで報われる可能性は高くありません。




モチベーションの源泉は何か。「仕事から得られる成長実感、貢献感、能力発揮感が強い影響」

モチベーションに強い影響を与える仕事や職場の要素について、弊社実施「約5000人の正社員アンケート調査」(2007年実施)結果をもとに重回帰分析を経て有意な項目を抽出してみると、仕事を通じて得られる成長実感や、組織に貢献しているという感覚等が重要との結果が得られました。(詳細グラフは弊社サイトに掲示)


(影響度の高い要素)

1. 成長している実感
2. 仕事から得られる達成感
3. 能力発揮
4. 業務への参画裁量感
5. 組織への貢献実感
6. 明確な目標の存在
7. 仕事の重要性理解



30歳代は仕事についてどう感じているのか、特に非役職者層についてみると、「頑張っている自負はあるものの、仕事から得られる参画裁量感、成長実感、組織貢献、能力発揮の感覚が乏しくなっている」


モチベーションに強い影響を与える要素を中心に、30歳代を取り巻く状況や感じ方を見てみると(30歳代非役者層と20歳代、40歳代等の比較に着目)。(詳細グラフは弊社サイトに掲示)


○期待成果発揮や業務の質については20代以上もしくは同等の自負がある

○仕事に対する参画裁量感は20歳代に比べても低く、仕事の責任権限は乏しく裁量を発揮できていないと感じている

○組織貢献感、能力発揮感も低い

○成長実感は一般的に年齢とともに下がる傾向があるが、40歳、50歳代よりも低い実感しか得られていない


入社後10年程度経ち、業務を覚えて成長し一人前になり、頑張ってきたとの自負はあるものの、次のポストで新たな成長機会(部下をまとめながら仕事を進める、マネージャとしてのリーダーシップやマネジメントについて学び、新たに成長する機会)を得ることがなく(またはその見込みが薄く)、責任や権限がそれほどない中で能力を発揮する機会も少ない中途半端な位置付けにあり、モチベーションを低下させていると推察されます。




(考察) ではどうするべきか。新しい働き方の創造も必要


データ分析結果から、同層のモチベーション低下は、ポスト不足自体の問題だけではなく、ポスト不足により、成長機会や能力発揮の場が少なくなってしまったことが主な原因と考えられます。そのため、この層に対して成長機会、能力発揮、組織貢献の場を提供し、より活性化させるためには、下記のような仕事の進め方や会社の制度として新しい枠組みが必要と考えられます。


(1)           プロジェクト型等、新しい仕事の進め方開発

(2)           リーダーの機能分化

(3)           明るい将来が見えるキャリアパスの設計



各種グラフ等の詳細は下記よりご覧下さい。


http://www.m-base.jp/news/20081008




※注1:東京海上日動コンサルティング 2008/08/29 発表「モチベーションとメンタルヘルスのマネジメント」(2008年7月に実施した「仕事に関する意識調査」の結果)

※注2:賃金構造基本統計調査の、従業員数1000名以上の大学・大学院卒業者のデータより算出

※注3:2006/10/31 http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/kuma/pdf/k_0611a.pdf

※注4:昨今ミドルマネージャは、業績貢献の他に、リスク管理・コンプライアンス、ワークライフバランスのための部下の残業管理、若手の離職防止等、相反する課題に取り組むことが求められており、マネジメントの困難度は以前に比べて非常に高いものと考えられます。



【会社概要】

名称:株式会社マネジメントベース

本社住所:〒112-0002 東京都文京区小石川2-25-10

設立:平成18年8  資本金:1000万円

代表取締役:本田 宏文

URL:http://www.m-base.co.jp/

主な事業内容:組織活性化支援、離職率低減・社員定着化支援 診断&コンサルティング

※記載内容(リンク先を含む)のサービスや表現の適法性について、ドリームニュースでは関知しておらず確認しておりません。

  • 政治、経済、マネー

会社概要

商号
株式会社マネジメントベース(カブシキガイシャマネジメントベース)
代表者
本田 宏文(ホンダ ヒロフミ)
所在地
〒112-0002
東京都文京区小石川2-25-10 
TEL
03-3812-8124
業種
コンサルティング・シンクタンク
上場先
未上場
従業員数
10名未満
会社HP
http://www.m-base.co.jp/

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