通信オペレーター各者はブロードバンドおよびデータサービスにますます注力する中で、自社のポートフォリオに含まれる重要なサービスである音声サービスにも注意を払う必要があります。
音声サービスは依然として現在のオペレーター収益の大部分を構成しています。しかしながら、従来型の音声サービスは通話料の下落、回線成長率の低下、VoIPなど新しい代替サービスとの競合などにより衰退傾向にあります。
通信市場に関する市場調査を専門とする英国の調査会社Ovum Ltd.が発行した報告書 "Voice: a vision of the future - Europe update"では、特に2017年までの音声通話量(通話時間)および収益見通しに焦点を当てながら、欧州市場の調査分析を行っています。
主な調査結果は以下のとおりです。
◆音声通話量は増加の見通し: この成長は、飽くことのないと思われる欧州人口の会話に対する意欲によってもたらされるでしょう。実に多くの場面や状況からの音声通話を実現するモバイル通話も、(固定テレフォニーを犠牲にしている面もあるものの)確実にこの成長の牽引因子となっています。また、ブロードバンドアプリケーション(特にVoIP)は2017年までに従来型固定・モバイル音声の通話時間を超える通話量となる見通しです。
◆ 音声通話収益は2008年にピークに達し、その後は減少傾向へ: 固定回線通話による収益は、少し前から持続的な減少傾向が始まっています。一方、モバイル(非VoIP)通話による収益は2009年にピークに達する見通しです。また、固定VoIPの収益は2007年から2017年の10年で約4倍の規模に拡大する見込みで、モバイルVoIPの収益は小規模の収益基盤から2017年には音声通話による収益全体の6%を占める規模に成長すると予測されています。
◆ 音声接続総数は増加の見通し: 音声接続総数は2007年の11億9,500万から2017年には14億6,200万に成長する見通しです。しかし成長率は2017年までに大幅に減少する見通しで、このことは、音声接続総数が今後10年か、あるいは本報告書の調査期間を超えた時点でピークに達する、ということを意味しています。
【 英文市場調査報告書 】
Voice: a vision of the future - Europe update
欧州における音声市場の将来見通し
http://www.gii.co.jp/japanese/ov64088-eu-update.html
出版社Ovum, Ltd.
出版日2008/03
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