シニアセカンドキャリア推進協会(SSC)は、2007年12月19日(水)、東京・如水会館にて「少子高齢社会の雇用と処遇-生涯現役社会に向けたシニア人材の活用事例とともに- 」と題し、設立記念セミナーを開催しました。
当セミナーは、一般企業の人事担当者、人材サービス会社、シンクタンク、厚生労働省、大学関係者の方々など、150名を超える方々にご参加いただき、盛況裏に終了いたしました。
【セミナー実施の背景】
SSCは、シニア人材活用事例を企業・個人向けに提案・紹介するなど、シニア人材の活用に関する幅広い啓発・促進活動を行うことにより、生涯現役社会の実現に向けた実践的な活動を推進していくことを最大の設立目的としています。
SSC設立記念セミナーは、シニア人材活用において、企業・就労者双方における意識のあり方、その意識を醸成する役割を担う人材会社のあり方を提示し、企業におけるこれからの人事施策を、ともに考える機会との位置づけにより開催したものです。
【実施概要】
まず、慶應義塾大学経済学部・清家篤教授より、「これからどうなる企業の人事施策・少子高齢社会の雇用と処遇」をテーマに基調講演をいただきました。現在、日本は高齢人口比率1位の少子高齢社会であり、この傾向は将来にわたって続くと見込まれます。この社会状況をかんがみると、年齢にかかわらず働く意思と能力のある人が働ける社会、つまり「生涯現役社会」の実現が不可欠です。様々な人事施策を講じつつ、生涯現役社会を実現し、企業活力のみならず、社会活力を高めていくことが望まれます。
続いて、株式会社マイスター60・平野茂夫取締役会長より、「高齢者会社・私の経営コンセプト」をテーマにスピーチを行いました。マイスター60は、高齢者の雇用を創る会社として平成元年に設立され、高齢者の働くことでの誇りややりがい、汗を楽しみにする企業文化を大切にしています。マイスター60は、高齢者会社のあるべき企業像をこれからも模索していくことで、シニア人材活用の意識を醸成する一翼を担います。
次に、「シニア人材を活用する利点と課題」をテーマに、シニア人材活用企業を代表してフジクス株式会社代表取締役社長・竹之内豊氏に、シニア就労者の立場として松下勝朗氏に、インタビューを行いました。
シニア就労者である松下氏は、大手印刷会社でのTQM・改善活動に関する実務経験を活かし、フジクス社で6年間、派遣社員として勤務しています。松下氏は、培ってきたノウハウを活かし一定の自由度を持って仕事ができる現在の状況に満足しており、可能な限り長く仕事を続けたいと考えています。
一方、シニア人材活用企業の立場として、竹之内氏は、企業にとって、知識・ノウハウを豊富に有するシニア人材の活用は「メリットだらけ」との所感を持っています。
実際、松下氏のグレードの高い仕事ぶりにより、フジクス社のTQM・改善活動は飛躍的に推進されたそうです。
さらに、シニア就労者の成功事例として、国立学園で派遣社員として勤務している関功氏より、「第二の人生 われ楽しいかな」をテーマにスピーチをいただきました。関氏は、国立学園にて営繕業務に従事しています。「他社にreplaceされない」「顧客満足を維持・向上する」「データを蓄積する」「守秘義務を守る」を基本的な心構えとして、定型業務をこなすだけでなく、改善提案を積極的に行うなど、主体的に仕事をしていることが楽しいそうです。
最後に、閉会の挨拶として、SSC理事長・坂本仁司から、SSCはこれからもシニア世代の"働く人"に焦点をあてて、多様な働き方を提案していくための活動を積極的に行っていく旨宣言しました。
【プログラム】
(1)基調講演:これからどうなる企業の人事施策「少子高齢社会の雇用と処遇」
講師:慶応義塾大学教授 清家 篤 先生
(2)シニア人材活用のポイント(人材会社から):「高齢者会社・私の経営コンセプト」
プレゼンテーター:株式会社マイスター60 取締役会長 平野 茂夫
(3)シニア人材活用事例(企業・個人から):「シニア人材を活用する利点と課題」
プレゼンテーター:フジクス株式会社 代表取締役社長 竹之内豊 氏/松下勝朗 氏
(4)シニア人材活用事例(個人から):「第二の人生 われ楽しいかな」
プレゼンテーター:国立学園 関 功 氏
(5)SSCの紹介
プレゼンテーター:SSC理事長 坂本仁司
以 上