この市場調査報告書には、世界のBluetooth市場について記載されています。
Bluetooth技術は、2007年に世界中で使われているおよそ5億台の端末に組み込まれています。ほとんどの人がBluetooth技術の名を耳にしたことがあり、この技術を実際に利用している人も少なくありません。したがって、Bluetooth技術が自動車に搭載されるようになるのも自然な流れといえるでしょう。
Bluetooth技術を使ったハンズフリープロファイル(HFP)機能は、2006年に世界で出荷された400万台の新車用ヘッドユニットに搭載されており、IMS Researchは、この市場の成長率が今後5年間で300%を超えると予想しています。Bluetooth技術を使ったオーディオストリーミングプロファイル(A2DP)は、比較的新しい市場ですが、この分野も、今後数年間で大きく成長する見通しです。
こうした状況を見ると、誰もが大きな利益を手にすることができるように思われます。
しかし、Bluetooth技術に関してはすべての自動車メーカーが「前向き」というわけではなく、新たなジレンマも生じています。自動車に詳しい専門家たちの間には、Bluetooth技術が自動車業界にとって「公正」なものではないと考える傾向もあるのです。
自動車に新しいアプリケーションを実装する場合、長期にわたる自動車の設計サイクル、相互運用性、安全性試験など数多くの困難が自動車メーカーの前に立ちはだかるというのは、広く知られている事実です。
2007年8月1日までの3年間、Bluetooth技術の新しい仕様は一度も発表されておらず、現在使われている仕様は、バージョン2.0 +EDRです。 しかしその一方で、18カ月という短い期間にBluetooth技術に関する大きな発表が3回行われています。すなわち、Bluetooth技術仕様2.1+EDR、高速Bluetooth、超低消費電力Bluetoothです。業界インサイダーの中には、自動車業界がBluetooth技術の進歩についていけないのではないかという見方があります。こうした難しい状況が、Bluetooth技術と自動車メーカーとの関係を根底から揺るがす可能性もあるのです。
その一方で、OEMメーカーの側が抱いている懸念も至極当然といえるものです。すなわち、自動車の平均的な設計サイクルが4~5年であり、新技術が長い過程を経て受容されるという事実を踏まえるならば、現在自動車に実装されているBluetooth技術を使った付加機能も、すぐ時代遅れになってしまうというのではないかという懸念です。このような状況が新型車にBluetooth技術を組み込む動きを阻害する可能性はないのかという疑問が生じるのも無理のないことと言えるでしょう。
しかし、こうした議論がある一方で、これは技術というものの本質に過ぎず、技術革新に疑いを挟む余地はないと考えている人も数多く存在します。新しい仕様がもたらすさまざまな利点は、Bluetooth技術の自動車における利用シナリオを一層豊かなものにするはずです。またBluetooth技術仕様は、すべて下位互換機能を有しており、ハードウェアをアップグレードできるようにすることで、これらの問題を解決できる可能性もあります。
[英文調査報告書]
The Worldwide Market for Bluetooth in Automotive Applications - 2007 Edition
自動車アプリケーション用ブルートゥース(Bluetooth)の世界市場:2007年版
http://www.gii.co.jp/japanese/iz56115-bluetooth.html
出版社: IMS Research
出版日: 2007/09
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