株式会社矢野経済研究所(代表取締役:水越孝)は、2024年度の国内民間企業のIT投資実態と今後の動向について調査を実施した。
1.市場概況
2023年度の国内民間IT市場(ハード・ソフト・サービス含む、公共分野や民間小規模事業者除く)は、IT投資額ベースで前年度比6.3%増の15兆500億円と推計した。
市場拡大の背景としては、基幹システムやサーバーのリプレイス、オンプレミスからクラウドへの移行、電子帳簿保存法やインボイス制度など法改正へのシステム対応、そしてデジタル化の推進といった多岐にわたる要因が、引き続き挙げられる。
特に大手企業においては、企業の競争力向上を目指し、基幹システムのリプレイスやクラウド移行に伴うITコンサルティングへの支出が活発化しており、これらへの支出も市場の成長につながった。
1.市場概況
2023年度の国内民間IT市場(ハード・ソフト・サービス含む、公共分野や民間小規模事業者除く)は、IT投資額ベースで前年度比6.3%増の15兆500億円と推計した。
市場拡大の背景としては、基幹システムやサーバーのリプレイス、オンプレミスからクラウドへの移行、電子帳簿保存法やインボイス制度など法改正へのシステム対応、そしてデジタル化の推進といった多岐にわたる要因が、引き続き挙げられる。
特に大手企業においては、企業の競争力向上を目指し、基幹システムのリプレイスやクラウド移行に伴うITコンサルティングへの支出が活発化しており、これらへの支出も市場の成長につながった。
2.注目トピック~「DXレポート」の影響は限定的 ~ 47.6%がレガシーシステムの刷新に "無関係" と回答~
本調査では国内の民間企業等に対し、IT投資に関する法人アンケート調査を毎年実施しており、2024年調査では453社から回答を得た。
経済産業省が2018年に「DXレポート」※で指摘した「2025年の崖」が迫っている。これは、レガシーシステムを使い続けることで、2025年以降に年間で最大12兆円の経済損失が生じる可能性があるという問題である。このDXレポートによって、デジタルトランスフォーメーション(DX)の必要性を認識する企業が出てきたとされている。
今回の法人アンケートでは、事前の設問でレガシーシステムを「刷新した(刷新中を含む)」「刷新を検討している」「刷新を検討したが進まなかった」と回答した296社を対象に、刷新の検討にあたってDXレポートが与えた影響について尋ねた。
回答では、「大きく影響した」が4.4%、「やや影響した」は26.7%であり、合わせて約3割の企業がDXレポートを意識して刷新を進めていることが明らかとなった。
一方で、「ほぼ無関係」と回答した企業が36.1%、「一切関係ない」が11.5%と、合わせて47.6%の企業では、DXレポートの影響をあまり感じていないという回答結果となった。
DXレポートは「DX」という言葉を広め、DXの必要性を認識する企業が出てきたとされている。しかし、アンケート調査結果からでは、レガシーシステムの刷新において、その影響力は限定的だったと言える。
※経済産業省「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」(2018年9月)
本調査では国内の民間企業等に対し、IT投資に関する法人アンケート調査を毎年実施しており、2024年調査では453社から回答を得た。
経済産業省が2018年に「DXレポート」※で指摘した「2025年の崖」が迫っている。これは、レガシーシステムを使い続けることで、2025年以降に年間で最大12兆円の経済損失が生じる可能性があるという問題である。このDXレポートによって、デジタルトランスフォーメーション(DX)の必要性を認識する企業が出てきたとされている。
今回の法人アンケートでは、事前の設問でレガシーシステムを「刷新した(刷新中を含む)」「刷新を検討している」「刷新を検討したが進まなかった」と回答した296社を対象に、刷新の検討にあたってDXレポートが与えた影響について尋ねた。
回答では、「大きく影響した」が4.4%、「やや影響した」は26.7%であり、合わせて約3割の企業がDXレポートを意識して刷新を進めていることが明らかとなった。
一方で、「ほぼ無関係」と回答した企業が36.1%、「一切関係ない」が11.5%と、合わせて47.6%の企業では、DXレポートの影響をあまり感じていないという回答結果となった。
DXレポートは「DX」という言葉を広め、DXの必要性を認識する企業が出てきたとされている。しかし、アンケート調査結果からでは、レガシーシステムの刷新において、その影響力は限定的だったと言える。
※経済産業省「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」(2018年9月)
3.将来展望
国内民間企業のIT市場規模は、今後、2024年度は前年度比5.6%増の15兆8,900億円、2025年度は同5.0%増の16兆6,800億円、2026年度は同2.5%増の17兆1,000億円と予測する。
2024年度も基幹システムやサーバーのリプレイス、クラウドへの移行といった案件が活発な状況が続いている。特に大企業においては、新規ビジネス展開を目指す革新的な取り組みとしての「攻めのDX」が実践の段階に入り、データの一元化やAIの導入など、データ利活用に向けた支出が増加している。
また、円安やIT人材不足といった外部要因も、IT投資支出を押し上げる一因となっている。さらに、近年頻発する自然災害に対応するため、事業継続計画(BCP)の見直しも進められている。
2025年度以降は、2025年10月にWindows 10のサポートが終了するため、2025年度から2026年度にかけてPCリプレイス需要が急増し、ハードウェアに対する支出の増加が見込まれる。さらに、AIやアナリティクスといった新たなテクノロジーに対する需要も高まり、新規ビジネス展開を目的としたIT投資が拡大し、国内民間IT市場は順調に推移する見通しである。
※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3678
調査要綱
1.調査期間: 2024年6月~10月
2.調査対象: 国内の民間企業等
3.調査方法: 民間企業に対するアンケート調査、ならびに文献調査併用
4.発刊日: 2024年10月31日
お問い合わせ
⇒プレスリリースの内容や引用についてのお問い合わせは下記までお願いいたします。
株式会社矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム
https://www.yano.co.jp/contact/contact.php/press
株式会社矢野経済研究所
https://www.yano.co.jp/
国内民間企業のIT市場規模は、今後、2024年度は前年度比5.6%増の15兆8,900億円、2025年度は同5.0%増の16兆6,800億円、2026年度は同2.5%増の17兆1,000億円と予測する。
2024年度も基幹システムやサーバーのリプレイス、クラウドへの移行といった案件が活発な状況が続いている。特に大企業においては、新規ビジネス展開を目指す革新的な取り組みとしての「攻めのDX」が実践の段階に入り、データの一元化やAIの導入など、データ利活用に向けた支出が増加している。
また、円安やIT人材不足といった外部要因も、IT投資支出を押し上げる一因となっている。さらに、近年頻発する自然災害に対応するため、事業継続計画(BCP)の見直しも進められている。
2025年度以降は、2025年10月にWindows 10のサポートが終了するため、2025年度から2026年度にかけてPCリプレイス需要が急増し、ハードウェアに対する支出の増加が見込まれる。さらに、AIやアナリティクスといった新たなテクノロジーに対する需要も高まり、新規ビジネス展開を目的としたIT投資が拡大し、国内民間IT市場は順調に推移する見通しである。
※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3678
調査要綱
1.調査期間: 2024年6月~10月
2.調査対象: 国内の民間企業等
3.調査方法: 民間企業に対するアンケート調査、ならびに文献調査併用
4.発刊日: 2024年10月31日
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