【性的マイノリティ・性の多様性】LGBT専門ニュースメディア3選
2023年6月16日、性的少数者(LGBT)への理解を増進し、差別を解消することを目的とした「LGBT理解増進法」(略称:LGBT法)が国会で成立しました。
賛否評論を巻き起こしたLGBT法ですが、この法案の是非にかかわらず何であれ不当な差別は無くしていくことは大切です。そのためには、まず私たち一人ひとりが性的少数者とされる人々への理解を深める努力をすることが重要で、企業であっても同様です。
LGBT(Q)とは、性的少数者(性的マイノリティ)を表現する言葉です。L(レズビアン/女性同性愛者)、G(ゲイ/男性同性愛者)、B(バイセクシュアル/両性愛者)、T(トランスジェンダー/心と体の性の不一致)の頭文字をとった総称です。
Qは、Qestioning(クエスチョニング)やQueer(クィア)の頭文字で、性的指向や性自認が明確でない人、定義づけたくない人、わからずに悩んでいる人を表現しています。
そこで今回は、LGBTを専門に扱うニュースメディアを3つご紹介します。
1 GENXY(ジェンクシー)
GENXYはLGBT当事者向けの総合情報サイトとして、国内最大規模のアクセス数とユーザ数を誇る、ゲイの方向けのライフスタイルWEBマガジンです。
日々豊かで刺激に満ちたライフスタイルを送るための情報として、エンタメ、ライフスタイル、ビューティー、恋愛、国内外の最新LGBTニュースなどを配信しています。
基本的には「ゲイ・LGBT 向けの情報」として情報配信を行っていますが、ジェンクシーのユーザーにはストレート(※1)の女性、感度の高いストレートの男性も多数存在するとのこと。
サイトは白と黒を基調としたスタイリッシュなデザインで、エンタメやビューティー、ファッションなどのコンテンツで使用されているカラフルな写真が目を惹きます。
(※1)異性愛者で、性的マイノリティではない人全般を指すとされている。
LGBT、CULTURE、LIFESTYLE、BEAUTY、FASHION、LOVE
【運営元】株式会社amateras
2 Flag(フラッグ)
FlagはLGBTやALLY(※2)に向けて、ビジネス、キャリア形成、就活、結婚・恋愛・筋トレ等に役立つ情報を発信するWEBメディアで、LGBTフレンドリー企業や、LGBTの支援団体なども紹介しています。
メディアの運営・編集にはLGBT当事者が関与し、当事者としての生の声を掲載しているとのことです。
記事カテゴリの「WORK」では、LGBTの方向けに特化した就職・転職に役立つ記事や企業の新たな取り組みなどを分かりやすく紹介。「NEWS」ではLGBTをめぐる行政の動きも分かりやすく解説しています。ともに国内外のニュースを扱っているため、世界の動きも同時に知ることができます。
一方、「LIFE」や「LOVE」では、LGBT向けの不動産や映画紹介、ゲイ専用のマッチングアプリの紹介など暮らしに役立つ身近な情報が楽しめます。
(※2)ALLY(アライ)とは、LGBT当時者ではない人が性的マイノリティを理解し支援する人々を指す言葉です。
WORK、LIFE、LOVE、NEWS、INTERVIEW、WORDS、LGBT&ALLY
【運営元】xxx株式会社
3 PRIDE JAPAN(プライド ジャパン)
PRIDE JAPANはLGBTQ+Allyの方たちに向けたLGBTQ情報サイトです。
LGBTコラムと国内外のLGBTに関わるニュースが一覧にまとめてあり、日本の企業の取組み、国・自体体の取組みなどで検索をかけることもできます。
責任編集を務める後藤純一氏は、約25年間ゲイ文化を牽引してきたゲイ雑誌「Badi(バディ)」(1993年創刊/2019年休刊発表)の編集者・ライターを長年担った後、2008年からはAll About[同性愛]の公式ガイドとして広く世間一般に向けてLGBTQについての記事を発信してこられた方です。
後藤氏と運営会社のアウト・ジャパンは、PRIDE JAPAN がLGBTQ当事者のコミュニティと支援者であるALLYをつなぐ“虹色の架け橋”を目指して運営しているとのこと。
特長は、記事のひとつひとつがとても丁寧に執筆されていること。このメディアにかける後藤氏の想いが記事を通して伝わってきます。
時事ニュースのみならず本や映画・テレビのレビューからLGBTQ関連の用語解説や法制度の説明まで、あらゆる記事がするどい視点と切り口と同時に分かりやすい文章で発信されています。
特集、コラム、レビュー(本・映画・TV・演劇・音楽。アート)、用語解説、資料
【運営元】株式会社アウト・ジャパン
まとめ
いかがでしたか?
LGBT法ができたことにより、これまで以上にLGBT(Q)の従業員に対する企業の対応が問われていくでしょう。まず、一番、やっていけないのが「無関心」です。無関心や偏見によって誤解やトラブルが大きくなり、企業の信頼を落とすことにもつながりかねません。
理解促進への第一歩として、専門用語の解説ページ(Flagでは「WORDS」、PRIDE JAPANでは「用語解説」)のコンテンツもぜひ参考にしてみてくだい。
広報活動においてさまざまな業界の専門用語を正しく理解しておくことは重要です。
今回ご紹介した3つのメディアは、ライフスタイル・エンタメ系だけではなく、社会問題や企業の取り組みなどもバランスよく扱っていて、LGBT社員に向けた働き方の制度やルールの見直し、福利厚生の充実化を考えている企業にもとても参考になるメディアだと思います。