<プレマガ広報インタビュー>認定NPO法人カタリバ 森田 晴香さん

プレスリリースマガジン編集部

10代の居場所づくりや学びのサポートなどを行っている認定NPO法人カタリバの森田 晴香さんに、広報担当者としての業務についてお話を伺いました。

広告営業、オウンドメディアの立ち上げを経てカタリバの広報へ

― 貴社の事業内容について教えてください。

カタリバは『どんな環境に生まれ育っても、未来をつくりだす力を育める社会を目指し、すべての10代が意欲と創造性を手にできる未来を実現しよう』という理念のもと、2001年から活動している教育系NPOです。

設立当初は、高校生に対しての出張授業プログラムを実施。2011年に起きた東日本大震災以降は、震災の影響で学ぶことが困難になってしまった子どもたちに居場所を提供し、現在も東北や文京区などで、学校でも家庭でもない第3の居場所である「ユースセンター」を運営しています。

2020年からはコロナ禍でオンラインを活用した支援にも取り組みはじめ、経済的な事情を抱えた家庭向けの「キッカケプログラム」、学校に行くことに困難を感じている不登校の子ども向けの「room-K」などをおこなっています。

― ありがとうございます。森田さんの略歴と広報になった経緯を教えてください。

私は新卒でアフィリエイト事業を行う株式会社ファンコミュニケーションズに入社し、最初は広告営業を担当していました。広告主向けの営業とメディア向けの営業どちらも経験した後に、マーケティングチームへ移動し、その後、新規事業の立ち上げに携わりました。

幼少の頃から文章を書くのが好きで、新規事業としてオウンドメディアを立ち上げた際、運営・編集・ライティングと様々な業務を経験させてもらったことをきっかけに、もっと文章を書く仕事に注力したいと思うようになりました。そんな時にカタリバの広報チームで編集担当を募集していることを知り、転職をして現在に至ります。

子どもとの関わり方に悩んでいる多くの人に伝わる情報発信を目指して

― タイミングが良かったですね!広報業務はどのようなことをされているのでしょうか?

カタリバの広報チームは、外部メディアとのリレーション担当とSNS担当、代表の今村と密に連携し講演スケジュール管理や問い合わせ対応などをする代表秘書、そして私が担当しているオウンドメディアや公式noteでの記事発信を行う担当に分かれています。

私のメイン業務は「KATARIBA マガジン」というWEBマガジンと「カタリバの公式note」の運営で、記事の企画やディレクション業務を全て担当しています。
その他にメルマガの企画・配信、コーポレートサイトの数値分析や更新も行っています。

― たくさんの業務を担当されていますね。では、広報業務において大変だと感じる時はありますか?

以前はどちらかというと教育の専門紙に載せるようなすごく専門的な情報について書いた記事が多かったのですが、今年に入って、やはり子どもを支援していく、子どもを取り巻く環境を変えていくとなると「もっと仲間を増やしていく必要がある」という話になりました。カタリバ自体を知らない人や、教育に少し関心はあるけどそこまで詳しくない人。私たちはその層を“準顕在層”と呼んでいるのですが、そういった方々にも興味や関心を持ってもらう流れを作るというのはすごく難しいなと感じています。

今現在は、子どもを取り巻く環境や課題についての情報を発信するにあたって、思春期の子育てに悩んでいる人や不登校のお子さんがいるご家庭など、多くの方が悩んでいたり興味関心がある内容に関連した記事を分かりやすく発信していこうとしています。

可視化できていない課題や魅力を発見し、世の中に分かりやすく発信することが広報の醍醐味

― 記者の方も専門用語が多すぎるプレスリリースは読まないとおっしゃっていたので、そこに通ずるものがありますね。それでは広報としてのやりがい、今後の方向性について教えてください。

私たちカタリバが向き合っている子どもたちを中心とした世の中にある課題というのは、子どもたち一人ひとりの特性が異なるため、絶対的な正解と言える解決策がないと思っています。

ただ、解決策がない問題にこれまでずっと向き合い続けたことで、「こういったケースにこのように対処することで好転した」という多くの事例や情報がカタリバには蓄積されています。そのような情報を発信することで、情報を知った方々が新しい選択肢の一つとして受け止め、心が軽くなったり前へ進むきっかけになれば嬉しいですし、やりがいを感じていますね。

これまでカタリバの広報チームでは、PRイベントやプレスリリースの配信、記事コンテンツでの情報発信など、趣向を凝らしながら広報施策を行っていたのですが、10以上の拠点で様々なテーマで事業を行っているので、なかなかカタリバ全体としてつながりのある発信はできずにいました。

今後は、大きなテーマを軸に置き、一つの物語のように、点ではなく線として情報を伝えていきたいと考えています。

― ありがとうございます!最後にこれから広報を目指す方に何かメッセージをお願いします。

広報と聞くと、会社の顔として会社のサービスや取り組み、社内の様子や代表者・社員の紹介など、今ある事実を世の中に届け、興味関心を持ってもらうというイメージが強いと思います。

もちろんそれもとても大切なことですが、カタリバの広報を通して、世の中にはまだ可視化できていない課題や魅力がたくさんあることを実感しました。

そういった課題や魅力を発見し、当事者意識を持ってもらえるよう理解しやすい言葉で世の中に発信することが広報の醍醐味の1つでもあると感じるので、今ある事実だけでなくその先を考えて行動に移せるような方は広報に向いていると思います。

― お忙しいところ、色々なお話を聞かせていただきありがとうございました!

インタビュー企業

会社名:認定NPO法人カタリバ
事業内容:10代の居場所づくりや不登校支援、探究・キャリア学習支援など
創業:2001年11月
URL:https://www.katariba.or.jp/

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