プレスリリースの効果的な配信タイミングを徹底解説
過去にドリームニュースが独自に行ったアンケート調査では、約45%の企業が火曜日に、また約60%の企業が午前中にプレスリリースを配信しているという調査結果が出ました。
(詳しくは「プレスリリースの配信は火曜日が多い?広報業務に関するアンケート」をご覧ください。)
他社の動向はとても気になると思いますが、これはあくまでも結果の一つ。全てのベストな配信日時であるとは限りません。
では最適な配信日・時間帯は具体的どのように決定すれば良いのでしょうか。
【過去の情報を配信する場合】
「一週間前に発売した新製品ですが、配信は来週の火曜日まで待って配信したほうがメディアにニュースとして取り上げられる確率が上がりますか?」といったご相談を受けることがあります。
このケースの場合、答えはノーです。(土日祝日や早朝・夜間を除いた時間帯で)一刻も早く配信しましょう。理由は以下のとおりです。
過去の出来事は最短即日で配信する
過去の情報になってしまっているこの段階においても、できる限り配信に最適な曜日や時間を選びたい気持ちは分かります。しかし、プレスリリースはネタ(情報価値)と同じくらい「鮮度」も重要で、この2つはいわば車の両輪のようなもの。
よって、この局面で取るべき最適な行動は“1分1秒でも早く”プレスリリースを配信すること、これに尽きるでしょう。
配信日や時間にこだわりすぎて、さらに情報の鮮度を落としてしまうことは避けましょう。時間が経てば経つほど、古い情報ということだけで記者にスルーされる確率が上がってしまいます。
【未来の情報を配信する場合】
さて、ここからやっと本題の「最適な配信のタイミング」のお話に入ります。
【STEP1】一般的に避けた方が良い曜日・時間帯を知る
常に忙しいメディアですがその中でもさらに忙しい曜日・時間帯は、当然プレスリリースが読まれる確率は低くなります。近年はメディア業界にも働き方改革やテレワークが浸透していて、より夜間・土日祝日のプレスリリース配信はマナーとして避けたほうが良いでしょう。
■夕方過ぎ16時すぎ
→午後は取材(外出)や記事の〆切などに追われる時間帯
■月曜日の朝9時
→金曜夜~月曜朝のメールチェックに追われる時間帯
■金曜日の午後
→会議や取材で外出してそのまま帰社しない可能性がある時間帯
これらを除外した結果、広報・PR業界では火曜日、水曜日、木曜日の10時~11時が人気の配信日時だと言われる傾向があります。ただしこれはあくまでも一般論として頭に入れておきましょう。
【STEP2】最適な配信タイミングは「メディアの種類」や「プレスリリース内容」によって異なることを知る
メディアにはテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、WEBニュースなど様々な種類があります。
しかし、一口にテレビと言っても、事前収録のバラエティ番組と日々の最新ニュースを扱う報道番組では、ネタを収集する時期から企画決定、収録日までの準備期間はまったく異なります。
また、新聞や雑誌についても季刊誌・月刊誌・週刊誌・日刊紙に分かれていて、同様にそれぞれ編集部の動きは異なります。
また、メディアの種類に関係なく「プレスリリース内容」によっても、情報提供の最適なタイミングは異なります。
例えば、「4月1日にメディアを招待する映画の試写会」や「新規オープンするレストランのプレス向け試食会」などメディア招致を目的としたイベントだったどうでしょうか。遅くとも2週間前には配信したいところです。
このように、最適な配信タイミングとは一律に決まった曜日や時間帯があるわけではなく、送り先や内容によって異なるということまずは理解することが大切です。
【STEP3】自社が露出を目標とするメディアの動きを知る
【STEP2】を踏まえた上で、自社が露出を目標とするメディアの動きについて調べてみましょう。分からない場合は、お目当ての媒体に、編集部にとって最適な情報提供のタイミング等について問い合わせてみても良いでしょう。(メディアによっては非公開の場合あり)
もしかしたら、現段階では目標とする媒体名は想定しておらず、「テレビや新聞に取り上げられたい!」と漠然と考えていた方も多いかもしれません。これを機に、具体的なメディアを設定することで、プレスリリースの書き方や配信日時を戦略的に考えてみるきっかけにしてみてください。
ちなみに、プレスリリース配信代行サービスを使って配信する場合は、メディアごとに配信日時は変更できず一斉配信になる仕組みが多いと思います。その場合は、自社が最も取り上げられたい媒体を一つ想定して配信日を決定しましょう。
【STEP4】配信後の自社のメディア対応業務について確認する
プレスリリースは配信して終わりではありません。
配信後の数時間~翌営業日くらいまでは、プレスリリースを読んだ記者からの問い合わせ等があることを想定しておく必要があります。
仮に、平日の18時に配信するケースで考えてみましょう。
プレスリリースのお問い合わせ先に広報担当者の携帯番号がきちんと書かれていて、18時過ぎからの数時間、記者からの電話とメールに即対応できるのであれば問題ないでしょう。
しかし、お問い合わせ先となっている代表電話が18時で留守電に切り替わり、メールも翌営業日の朝でないと確認できない体制なのであれば、18時に配信するのは適切とは言えません。
その他、「広報担当者が長期出張で数日間対応できない」「配信後の翌日(平日)が定休日で休み」など様々なことが考えられます。配信日時は、配信後のメディア対応まで考慮し、時間を逆算した上で決定しましょう。
いかがでしたか?
せっかくプレスリリースを送るなら、多くのメディアにニュースとして取り上げてもらいたいですよね。そのためには、メディアを知り、自社を知る。この両方が欠かせません。
プレスリリース配信は奥が深いですね。