ダメなプレスリリースの雛形を元に書き方を解説[キャンペーン期間の延長告知編]

プレスリリースマガジン編集部

【解説シリーズ!】では、各プレスリリースの内容に合わせて、ダメなサンプルリリースをもとに注意すべきポイントを解説しています。

過去に紹介したダメなプレスリリースの雛形を元に解説している記事はこちら

今回で9回目となる【解説シリーズ!】のテーマは「キャンペーン期間の延長告知」です。
プレスリリースの題材となる趣旨は以下の通りです。

レンタルサーバー業を営む株式会社●●●●は、自社が運営する法人向けインターネット接続サービス『■■■■』において20xx年5月1日(月)から開催中の「スタートアップキャンペーン20xx」のキャンペーン終了日を、好評につき20xx年5月31日(土)から20xx年6月30日(月)に延長することを決定した。

タイトル

まずはタイトルです。

適切ではないタイトルの例

創業2年未満の法人の新規契約でWi-Fiルータ無料プレゼント!「スタートアップキャンペーン20xx」の1キャンペーン期間延長

結論となる「期間延長」はタイトル冒頭に!

このタイトルは誤りではありませんが、せっかくの1「キャンペーン期間延長」の文言が文章の最後に記載されています。メールの件名やインターネットの検索結果で表示される文字数には限りがあることを考慮すると、やはり重要な文言はタイトルの冒頭に記載するのがベストです。タイトル全体の文字数が許せば3「6/30まで1カ月延長」など具体的な情報を入れるのもよいでしょう。

「好評につき」などポジティブな延長理由を入れてニュース性をアップ

また、適切なタイトルの例5にもあるように、今回の延長理由は「ユーザーの反響が良かったため」というポジティブなものです。そこで、本文だけではなくタイトルにも2のように「問い合わせ多数」「好評」といったキーワードを一緒に入れてみましょう。単に「延長」という情報だけではなくニュース性の高さも加わります。

適切なタイトルの例

21カ月で問い合わせ300件超!好評につきキャンペーン36/30まで1カ月延長決定~創業2年未満の法人の新規契約でWi-Fiルータ無料プレゼント!「スタートアップキャンペーン20xx」~

本文

続いて本文です。

適切ではない本文の例

レンタルサーバー業を営む株式会社●●●●(所在地:東京都港区、代表取締役社長 ▲▲▲▲)が運営する法人向けインターネット接続サービス『■■■■』では、現在開催している創業2年未満の法人の新規契約でWi-Fiルータをプレゼントする「スタートアップキャンペーン20xx」について、4キャンペーン終了日を20xx年6月30日(月)に延長することを決定しました。

『■■■■』では、創業が20xx年4月以降の法人企業を対象に、新規にインターネット接続サービスを契約したお客様にWi-Fiルータをプレゼントする「スタートアップキャンペーン20xx」を開催していますが、4キャンペーン終了日を20xx年6月30日(月)に延長しました。

(以下、【延長後のキャンペーン概要】【『■■■■』について】【会社概要】【報道関係者向けお問い合わせ先】の記載へ続く)

このプレスリリースの中で「新しい情報」といえるのは、4の延長したキャンペーン期間終了日のみとなっています。
しかし、この情報だけを頭に入れても、当初のキャンペーン期間や延長理由がまったく分からないため、プレスリリース全体の印象が唐突で一方的だと感じた方も多いのではないでしょうか。 それでは、よりよいプレスリリースにするために以下のポイントを見ていきましょう。

当初予定していたキャンペーン終了日を記載しよう

例えば、延長期間が1週間と1カ月ではそのニュース性は大きく異なります。
そのため、適切な本文の例6のように、当初予定していたキャンペーン終了日と延長後のキャンペーン終了日の両方を明記することが大切です。プレスリリースを書くときは常に具体的な情報の記述を意識しましょう。

キャンペーンの延長理由は「社会性」を意識した内容を

さらに、記者にとって今回のプレスリリースにおけるニュースバリュー(情報価値)は、「キャンペーン期間を延長するに至った理由や背景」であるといっても過言ではありません。

ところが、具体的な延長理由が記載されていないと、記者からは「単純な“お知らせ”を送ってきた」「今後もニュース性に欠けるプレスリリースを送ってくる企業なのでは?」と思われ、かえって自社の企業価値を落としかねません。
広報においてメディアは企業の宣伝ツールではないことを肝に銘じましょう。

そこで、適切な本文の例の文章後半では、多くの問い合わせに至った社会的背景を7に、実際にどのような企業からどれくらいの問い合わせがあったのかを示す具体的数値を8に記載しています。

なお、適切な本文の例では、本文冒頭の一文に延長理由を盛り込むと長くなるので5のように「好評につき」とシンプルにまとめています。

適切な本文の例

レンタルサーバー業を営む株式会社●●●●(所在地:東京都港区、代表取締役社長 ▲▲▲▲)が運営する法人向けインターネット接続サービス『■■■■』では、現在開催している創業2年未満の法人の新規契約でWi-Fiルータをプレゼントする「スタートアップキャンペーン20xx」について、5好評につき6キャンペーン終了日を当初の20xx年5月31日(土)から20xx年6月30日(月)に延長することを決定しました。

『■■■■』では、20xx年5月1日(月)から、創業が20xx年4月以降の法人企業を対象に、新規にインターネット接続サービスを契約したお客様にWi-Fiルータをプレゼントする「スタートアップキャンペーン20xx」を開催しています。

7働き方の多様性が進む中、テレワークを導入する企業や自宅で起業する人が増加しています。
テレワークの導入は、働く人のライフワークバランスの向上や災害時の従業員の安全確保など企業にとっても大きなメリットがあります。

こうした昨今のテレワーク需要の高まりを受け、キャンペーン開始直後の20xx年5月には、8在宅勤務に最適な通信環境を早急に必要とする企業を中心に1カ月で約300件を超える問い合わせがありました。中にはキャンペーン期間の延長を望む声も半数近くあったことから、キャンペーン終了日を当初の20xx年5月31日(土)から20xx年6月30日(月)に延長することを決定しました。

(以下、【延長後のキャンペーン概要】【『■■■■』について】【会社概要】【報道関係者向けお問い合わせ先】の記載へ続く)


以上が「キャンペーン期間の延長告知」に関するプレスリリースを作成する上でのポイントです。

今回のような「期間延長」というシンプルなテーマでは、何よりもまず「お知らせ」と「プレスリリース」の違いをしっかり区別することが重要です。常に、ニュース性はどこにあるかという視点を大切にしながらプレスリリースを作成してみてくださいね。

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