記者に響くプレスリリース本文の書き方のポイント
タイトルが完成したら、いよいよ本文です。当サイトのコンテンツでもプレスリリースの書き方を紹介しているので、ここでは具体例を交えよりわかりやすくお話したいと思います。
タイトルだけでは記事は書けません。タイトルは本文を読ませるためのフックです。本文まで読ませたらこっちのもの?とまでは言いませんが、取材にぐーんと近づきます。
そのためにも、タイトルに書いたことはさらに詳しく本文に書き、読み手が自然に文末まで到達するよう、整合性のとれたプレスリリースを意識した本文作成が必要です。それでは早速、本文作成のポイントを見ていきましょう。
以前ある記者の方々とプレスリリースについてお話した話
と、その前に以前ある記者の方々とプレスリリースについてお話した話・・・
ところで、どのようなプレスリリースが良いプレスリリースだと思いますか?
面白くて理解するまで時間がかかるリリースより、時間をかけずに記事にできるリリースだね。1日に300~400本のプレスリリースが届いて、そこから12本ぐらい記事を書いてるからね。
時間をかけずに記事にできるリリースというと?
つまり読みやすいプレスリリースってこと。逆に読む気になれないプレスリリースもあるよね。
具体的にはどんなプレスリリースですか?
たまにあるのよ。用紙5枚ぐらいにびっしりテキストが書いてあって。あれじゃ読む気にならないね。まず文章の基本がなってない。しかも無駄に長いから言いたいことが分からないし、出だしに開発背景とか社長の熱い思いとかが書いてあるの。それよりも商品のことが知りたいっていうのに。
確かにそれでは読む気にならないですね。あと他にありますか?
そうだなぁ。すごく商品がおもしろかったプレスリリースで発売日と価格が書いてなかったから電話したら1年前に出た製品だって・・・???ってなるよね。そんな昔の記事書けないでしょ?さすがに。時間が無いから記事書くためにいろいろと調べたくないのよ。それだけで時間取られるから。
なるほど。記者さんって忙しいんですね。逆に読みやすいプレスリリースのポイントってありますか?
読みやすいっていうより、文章の基本なんだけど、誤字、脱字は読んでいて萎えるね。
そうだね。止まっちゃうよね。読んでいて。あとはね。最近パソコンが主流じゃない?なんでもかんでも。そうすると意外に漢字の変換ミスが多いのよ。あれも困るね。
そうですね。最近実際に文章を書く機会が減ってますしね。
そうそう。記事書くときもパソコンだし、記事書いても最低10回以上は確認してるね。
あとね、プレスリリースがである調で書いてあるやつね。新聞記事風にしたほうが記事にしやすいって考えてるみたいだけど、あれ逆だからね。記事にするときにこっちで変えるから普通のですます調で書いてもらったほうがありがたいし、読みやすいよ。
確かに。上からな感じもしますしね。
そうなんだよね。あとね、テキストだらけのプレスリリースもちょっとね。
うん。やっぱり画像があったほうが一段とわかりやすくなるね。記事書いて画像も掲載できるし。
そうですね。ぱっと見の印象も変わりますよね。
まぁまとめると読み手の気持ちを考えた読みやすいプレスリリースを書くことが大事だよね。
はい!ありがとうございます!
1.プレスリリースのベストな長さとは?
よくプレスリリースの書き方で言われるのが、A4用紙1枚から2枚程度で書きましょうという説明。当サイトでもA4用紙1枚程度がベストとしています。
これはなぜか?
なぜなら記者は超多忙を極めるからです。超多忙な記者に何枚ものプレスリリースを送っても迷惑行為そのものです。ただ長ければ良いというものではありません。あなたは5枚ものプレスリリースを読む気になれますか?先ほどのお話でも出ましたが、プレスリリースを見ただけで記事が書けるプレスリリースが良いプレスリリースということ。
それでは、どうすればプレスリリースを見ただけで記事が書けるのか?それは情報の過不足がないことにつきます。つまり読み手に疑問点を抱かせないプレスリリースです。プレスリリースが長すぎると、いったい何を言いたいのかが分からなくなってしまいますし、短すぎると不足している情報を調べなくてはならず時間がかかってしまいます。毎回毎回分からない用語をネットで調べてとやっていたら何時間あっても時間が足りませんよね。このようなプレスリリースは、敬遠されることが多くボツネタへまっしぐらです。
それでは、具体的に見て行きましょう。
2.プレスリリースの構成と読みやすい文章とは?
商品への思い入れが強いのは非常に分かるのですが、商品の新発売のプレスリリースなのに商品を開発した背景や思いなどから書き始めてあるプレスリリースをよく目にします。従業員の苦労話、苦労すればするほどその話を聞かせたい、広めたい気持ちはものすごくわかります。ただその前によく考えてみてください。まず言いたいことは何なのでしょうか。開発背景ですか?苦労話ですか?いや商品を販売開始したことですよね?そこを考えればおのずと何から書き始めればよいかわかるはずです。
プレスリリースを読んでいる方が、最後まで読んでくれるとは限りません。それならば、言いたいことを文章の初めに書き読ませることで、途中で読むのをやめても何が言いたいのかが分かるプレスリリースになると思いませんか?
次の文章を読んでみてください。言いたいことは何でしょうか?
私は、タバコが人へ与える影響に関して、アメリカやイギリスで発表された様々な文献では、タバコが人へ与える影響はそれほどないという意見もあり、タバコを吸わないことによりストレスを感じるぐらいであれば、喫煙した方が良い等の身体的側面以外でもさまざまな声があるが、タバコが直接的に癌へ影響を与えているのではないかと考えている。
おそらく言いたいことは分かると思います。しかし、1文1文が長く重複した表現があるため、非常に読みにくい文章になっています。また、日本語の文章は述語まで読まないと言いたいことが分かりません。下記のように修正するとどうでしょうか。
私は、タバコが直接的に癌へ影響を与えているのではないかと考えている。しかし、アメリカやイギリスで発表された様々な文献では、タバコが人へ与える影響はそれほどないという意見もあるようだ。また、タバコを吸わないことによりストレスを感じるぐらいであれば、喫煙した方が良い等の身体的側面以外でもさまざまな声がある。
そうです。1文1文を適切な長さに切り、文の重複を避け結論から書くことで、文章の趣旨が伝わりやすくなります。
3.読み手に疑問点を抱かせないプレスリリースってどういうもの?
読み手に疑問点を抱かせないプレスリリースの文章とはどのようなものでしょうか。
次の文章を読んで、何か疑問点が出てきませんか?
スマホに対応したSFAシステム「みんなのSFA」を販売開始しました。
まず気になるのは、誰がということではないでしょうか。上記の文章には主語か欠落しているため、誰が販売開始したのかが分かりません。文章の基本は主語と述語の主従の関係を明確にするということ。つまり誰が何をしたということをはっきりさせることで、文章が分かりやすくなります。
●●株式会社は、スマホに対応したSFAシステム「みんなのSFA」を販売開始しました。
他に気になるところはありますか?そう!いつ販売開始したのかが分かりません。新聞の記事を見るとよくわかるのですが、必ず日にちが書いてありますよね。プレスリリースは記事のもととなるものですので、必ず日にちを入れるようにしてください。
あと気になるところは「SFA」でしょうか。SFAとは、Sales Force Automation(セールスフォースオートメーション)の略語で、営業支援システムのことです。営業職の方や業界の方ならわかりますが、携わっていない方には何のことだか分からないのではないでしょうか。それは記者の方も同じです。専門用語はなるべく使わずに、どうしても使用する場合は説明を付けましょう。
また、略語もNG。スマホはスマートフォンに変えた方が無難です。以上を踏まえると下記のような文章が出来上がりました。
●●株式会社は、スマートフォンに対応した営業支援システム「みんなのSFA」を、2014年5月29日に販売開始しました。
さらに、何をしている会社かが分かるように、会社名の前に修飾語を挿入し、会社の所在地と代表者名を記載します。これで1文を読んだだけで、ある程度概要を掴むことができるようになりました。
営業課題解決事業を手掛ける●●株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:○田○男)は、スマートフォンに対応した営業支援システム「みんなのSFA」を、2014年5月29日に販売開始しました。
配信元企業名を主語にし、
誰が【Who】
どこで【Where】
何を【What】
いつ【When】
どのように【How】
のかを示す結論から書きだすことで、プレスリリースの内容を端的に伝えることができます。
そして、次に商品の価格【How much】や仕様、理由【Why】等を挿入することで、読み手の疑問点はかなり少なくなることでしょう。
プレスリリースの信用性を上げるために、具体的なデータ(リサーチ会社の調査データなど)を入れるのも効果的です。
また、商品やサービスのプレスリリースの場合、パッケージやサービスの画像をプレスリリース内に挿入することで、視覚的に読み手にアピールすることができるため、画像は必ず入れていただきたいポイントです。
4.誤字、脱字、変換ミスは致命的
プレスリリースだけでなく文章の基本ですが、誤字、脱字、変換ミスに気を付けましょう。文章を書く機械が少なくなり、パソコンを使うようになったたため、うっかり変換ミスが増えています。文章を読んでいて、誤字、脱字や変換ミスがあると、読んでいる方に疑問を与え読むのをストップさせてしまいます。また、プレスリリースは企業の公式文書であるため、誤字、脱字、変換ミスは企業の信用に関わります。
最近増てきた、プレスリリースの配信代行サービスがありますが、ニュースサイトと連携しているところが多く、配信後短時間でニュースサイトに転載されることになります。さらに、話題性のあるニュースはソーシャルメディアにまで波及することも。そこまで拡散してしまうと、ネット上から完全に消すことは不可能に近いです。誤字、脱字や変換ミスが、企業の公式文書として一生ネット上に残ってしまいます。問題ですよね?
ちなみに上記文内に、誤字、脱字、変換ミスが1か所ずつあります。印象はどうですか?あまり良くないでしょう?
誤字:2行目 なったたため→なったため
脱字:6行目 増て→増えて
変換ミス:2行目 機械→機会
5.「である調」は逆効果!
プレスリリースの主流となっているのが「ですます調」です。新聞では「である調」で記事が書かれているため、「である調」で書いた方が記者の手間にならないという考えから、「である調」で書く方がいらっしゃいますがあまりよくありません。読み手に、上からな印象を与えてしまう恐れがあります。また、過剰な丁寧語も避けましょう。「~ございます」は「~です」と書いた方がベターです。
下記を読んでみてください。それぞれどんな印象を受けますか?
グローバルインデックス株式会社は、5月20日にプレスリリースMagazineをオープンした。プレスリリースMagazineは、プレスリリース業界の最新動向やおすすめ情報から、プレスリリースの書き方、サンプル集にいたるまで、プレスリリースに関するお役立ちコンテンツを提供する広報・マーケティング担当者向けプレスリリースのノウハウマガジンである。
グローバルインデックス株式会社は、5月20日にプレスリリースMagazineをオープンいたしました。プレスリリースMagazineは、プレスリリース業界の最新動向やおすすめ情報から、プレスリリースの書き方、サンプル集にいたるまで、プレスリリースに関するお役立ちコンテンツを提供する広報・マーケティング担当者向けプレスリリースのノウハウマガジンでございます。
グローバルインデックス株式会社は、5月20日にプレスリリースMagazineをオープンしました。プレスリリースMagazineは、プレスリリース業界の最新動向やおすすめ情報から、プレスリリースの書き方、サンプル集にいたるまで、プレスリリースに関するお役立ちコンテンツを提供する広報・マーケティング担当者向けプレスリリースのノウハウマガジンです。
6.画像で魅力&理解力アップ!
プレスリリースの最適な長さはA4用紙1枚程度とご紹介しましたが、全部テキスト文で書かれていたら読むのに疲れますよね?画像は文字に比べて、多くの情報を読み手に伝達することができます。また、プレスリリース内に画像を入れることで、情報を直感的に伝えることが出来るため、プレスリリース全体の読みやすさにもつながります。パッケージや商品画像がないサービスの場合でも、サービスを模式化したイメージ画像を入れてみてください。プレスリリースの印象がぐっと変わりますよ。
下記を見てください。画像があったほうがより食べたくなりませんか?
『記者に響くプレスリリース本文の書き方のポイント』はいかがでしたか。今回紹介したポイントはプレスリリースの基本となるものです。読み手の立場に立ったプレスリリースを意識して、読んだ人全員が理解できるプレスリリースを作成しましょう。