ダメなプレスリリースの雛形を元に書き方を解説[導入事例編]
【解説シリーズ!】では、各プレスリリースの内容に合わせて、ダメなサンプルリリースをもとに注意すべきポイントを解説しています。
過去に紹介したダメなプレスリリースの雛形を元に解説している記事はこちら
さて、今回で4回目となる【解説シリーズ!VOL.4】のテーマは「導入事例」です。
プレスリリースの題材となる趣旨は以下の通りです。
メール配信システム「△△△メール」の開発・販売を行なっている株式会社Aが、20代女性向けファッション 通販サイト「○○○○」の運営を行なっているB株式会社に導入されたメール配信システム「△△△メール」の導入事例インタビューを20xx年8月1日(月)に公開した。
タイトル
まずは重要なタイトルから見てみましょう。
B社、20代女性向けファッション通販サイト1「◯◯◯◯」がA社の「△△△メール」を導入!
配信元企業はA社とB社のどっち!?
このタイトルは、情報として“間違いではない”のですが、一瞬読み手に“誤解を与える”可能性があります。
理由は、タイトルを読んだだけでは2「株式会社Aが自社サービス「△△△メール」の導入事例を公開した」という主旨が読み手に伝わらないからです。読む人によっては、ファッション通販サイト「◯◯◯」を運営するB株式会社が配信しているプレスリリースだと受け取る場合もあるでしょう。
また、プレスリリースに2社以上の企業名が登場する時は、各社の関係性(サービスを提供した側、導入した側)がしっかりと分かるよう書き方に気をつけましょう。それでは、さっそくタイトルを修正してみましょう!
2ユーザーの嗜好や属性に最適なメール配信が行える「△△△メール」、20代女性向けファッション通販サイト「◯◯◯◯」が導入!
「△△△メール」という情報だけでは、一体どのようなサービスなのかが把握できないので、商品名やサービス名を端的に説明する2修飾語をつけました。
本文
さて、続いては本文です。
メール配信システム「△△△メール」の開発・販売を行なっている株式会社A(本社:東京都港区 代表取締役社長:▲▲▲▲)は、20代女性向けファッション 通販サイト「◯◯◯◯」の運営を行なっているB株式会社(本社:東京都渋谷区 代表取締役社長:●●●●)に導入されたメール配信システム「△△△メール」 の導入事例インタビューを20xx年x月x日(x)に公開しました。
3詳細内容は下記の導入事例ページよりご確認いただけます。
ファッションモール「◯◯◯◯」様 導入事例インタビューページ
URL:http://www.example.jp/interview/○○○○
「◯◯◯◯」について(http://www.○○○○)
「◯◯◯◯」は、B株式会社が運営する会員数100万人の20代女性向けファッション通販サイトです。トレンドを押さえたファッションアイテムを幅広く展開し、常時10万点の商品を取り揃え月に70万人の女性に利用されています。
4【◯◯◯◯サマーバーゲン開催中!!】http://www.○○○○/summersale
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(以下、会社概要とお問い合わせ先の記載へ続く)
「導入に至った経緯」やクライアント企業から「評価されたポイント」こそがニュースバリュー!
自社サイトで公開するインタビューページの有無に関わらず、3導入事例の詳細な内容はプレスリリース内にしっかりと記載しましょう。
詳細情報としてリンクを貼ること自体は問題ありませんが、「詳細はこちら」で完結してしまうのは「企業の公式文書」として適切ではありません。
加えて、これはもう完全に導入事例そっちのけで4情報の大半がB社のサービス告知リリースと化していますね。
今回の場合、配信元の企業であるA社を主体としてプレスリリースを構成します。
導入事例のプレスリリースは、導入企業の商品やサービス情報を全面に押し出すのでは無く、B社が「△△△メール」サービスの導入に至った経緯や評価しているポイント、導入後の具体的な効果などをリリース内に入れ構成しましょう。
では、上記の2点を盛り込み修正してみましょう。
メール配信システム「△△△メール」の開発・販売を行なっている株式会社A(本社:東京都港区 代表取締役社長:▲▲▲▲)は、20代女性向けファッション 通販サイト「◯◯◯◯」の運営を行なっているB株式会社(本社:東京都渋谷区 代表取締役社長:●●●●)に導入されたメール配信システム「△△△メール」 の導入事例インタビューを20xx年x月x日(x)に公開いたしました。
「◯◯◯◯」は、これまで通常のメール配信ソフトで顧客へのお知らせやキャンペーン情報などを、その都度ターゲットの属性や購買履歴などを確認し配信していました。3今回は配信業務を効率化、また作業コストの削減を目的とし「△△△メール」を導入していただきました。
「△△△メール」は、1分間で10万通の配信能力を持ち、顧客一人一人の属性や購買履歴に合わせたOne to Oneメール配信が行えるメール配信システムです。
今回の導入により、顧客データベース・購買履歴・商品情報等と連携させ、顧客ごとにカスタマイズした新着メールマガジン・キャンペーンやクーポンメールを最適な形で一括配信することが可能となり、3配信業務の効率化だけではなく購買率も向上しました。
また、「△△△メール」の「□□」機能も利用することで、3日々増えていく会員に対しての管理業務も効率化し、顧客とのコミュニケーション施策に割り当てる時間が増えました。
詳細内容は下記の導入事例ページよりご確認いただけます。
ファッションモール「◯◯◯◯」様 導入事例インタビューページ
URL:http://www.example.jp/interview/○○○○
「◯◯◯◯」について(http://www.example.jp)
「◯◯◯◯」は、B株式会社が運営する会員数100万人の20代女性向けファッション通販サイトです。トレンドを押さえたファッションアイテムを幅広く展開し、常時10万点の商品を取り揃え月に70万人の女性に利用されています。
4メール配信システム「△△△メール」について(http://www.example.jp)
株式会社Aの自社サービス「△△△メール」は、企業と顧客との有効な関係を構築・支援していくためのメール配信システムです。
1分間で10万通の配信能力を持ち、顧客一人一人の属性や購買履歴に合わせたOne to Oneメール配信が行える他、複数のデータベースとの連携、PC・スマートフォンへ自動最適化表示ができるHTMLメール作成ツールなど多数の機能もあり、ご利用企業様ごとにカスタマイズし利用することも可能です。
サービス開始から5年で累計3,000社以上が導入し、中小企業から大企業まで業種を問わず幅広くご利用いただいています。
(以下、会社概要とお問い合わせ先の記載へ続く)
最後に、4A社サービスである「△△△メール」についての詳細な説明を加えることで、初めてA社を知った人でもリリース内容を容易に理解することができるようになります。
いかがでしたか?
導入事例のプレスリリースは、実際に導入企業の視点で商品やサービスの利点を具体的にアピールできるので、情報のみならず配信元企業の信頼性の向上に繋がりますよ。
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