ダメなプレスリリースの雛形を元に書き方を解説[CSR活動(福祉活動)編]
【解説シリーズ!】では、各プレスリリースの内容に合わせて、ダメなサンプルリリースをもとに注意すべきポイントを解説しています。
過去に紹介したダメなプレスリリースの雛形を元に解説している記事はこちら
さて毎回好評の【徹底解説シリーズ!】も、早6回目となりました。今回の気になるテーマは「CSR活動(福祉活動)」です。
プレスリリースの題材となる趣旨は以下の通りです。
自転車の製造、販売をする株式会社●●●●は、東日本大震災復興支援の一環として、20xx年5月1日(木)に東日本大震災復興団体に電動アシスト自転車100台を寄贈した。
タイトル
それではタイトルを見てみましょう。
電動アシスト自転車を寄贈
タイトルで内容が理解できない
このようなタイトルの福祉活動報告のプレスリリースって結構あるんです。タイトルを読んで内容が分かりますか?
分かると思ったあなた!
では問題です。
どこの会社がどこに自転車を何台、どのような理由で自転車を寄贈したのでしょう?
分かりませんよね?
下記のようなタイトルにするとどうですか?
東日本大震災復興支援として、株式会社●●●●が電動アシスト自転車100台を東日本大震災復興団体に寄贈
一気に分かりやすくなったのではないでしょうか!
本文
次に本文を見てみましょう。
株式会社●●●●は、東日本大震災復興支援の一環として、20xx年5月1日(木)に東日本大震災復興団体に電動アシスト自転車100台を寄贈しました。
株式会社●●●●では、引き続き東日本大震災復興の実現に寄与することを目的に、さまざまな支援活動を行ってまいります。
(以下、会社概要とお問い合わせ先の記載へ続く)
会社名には修飾語と所在地、代表者名を
会社名に修飾語を入れることで、その会社が何を事業としている会社かが分かります。このケースだと自転車の製造、販売をする株式会社●●●●は、とするのがよいですね。
また、会社名の後ろには会社の所在地と代表者名を入れます。政令指定都市なら区まで、政令指定都市ではない県庁所在地ならば市まで、それ以外の場合は都道府県名と市町村名を記載するのが通例です。また、代表者の肩書は、代表取締役社長というように役職まで記載するのが良いでしょう。
本文の情報量が少なすぎる
上記プレスリリースを読んで記事が書けるでしょうか?プレスリリースの適切な長さはA4用紙1枚程度と言われています。記者も時間に追われていますので、できる限り疑問を抱かせないように過不足無く情報を入れこむことがプレスリリースの基本です。
今回のような福祉活動報告のプレスリリースですと、これまでに寄贈してきた支援内容や、寄贈品の説明、寄贈先の情報等を入れ込むことで文章に厚みをもたせることができますね。
また、プレスリリースは企業の公式文書です。不適切なプレスリリースをメディアに配信することで企業の価値を下げることにもなるため注意が必要です。
では、上記を盛り込み修正してみましょう。
自転車の製造、販売をする株式会社●●●●(本社:東京都港区 代表取締役社長:▲▲▲▲)は、東日本大震災復興支援の一環として、20xx年5月1日(木)に東日本大震災復興団体に電動アシスト自転車100台を寄贈しました。
株式会社●●●●では、20xx年から毎年、東日本大震災復興団体に電動アシスト自転車100台の寄贈を実施しており、今回で4回目となり、累計寄贈台数は400台となります。当社の電動アシスト自転車は、『環境にやさしく』をコンセプトに開発された製品です。自転車走行中に発生する運動エネルギーで発電する回生充電機能と、太陽光発電からの充電機能を搭載しており、最大200kmのアシスト走行を実現しています。
東日本大震災で被災された皆様には心よりお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復興を心よりお祈りいたします。
寄贈先:東日本大震災復興団体
寄贈日:20xx年5月1日(木)
寄贈品:電動アシスト自転車100台
東日本大震災復興団体とは
東日本大震災復興団体は、2011年3月11日に発生した東日本大震災の被災者を支援するため、「がんばろう日本」というスローガンを掲げ、1日も早い被災地の復興を目指し継続的にさまざまな支援活動を行う団体で、2011年4月に発足されました。
東日本大震災復興団体ホームページ
http://www.●●.com/
株式会社●●●●では、引き続き東日本大震災復興の実現に寄与することを目的に、さまざまな支援活動を行ってまいります。
(以下、会社概要とお問い合わせ先の記載へ続く)
プレスリリースの理解を深める為に、寄贈品の写真や、寄贈した際の写真等を入れるとより良くなりますね!
以上、CSR活動(福祉活動)のプレスリリースの書き方に関するポイントの解説でした!
全てのプレスリリースに共通して言えることですが、何より大切なものはタイトルです。コンパクトかつキャッチーに、そして1回読んだだけで趣旨がわかるようなタイトルを付けましょう。もちろん本文は読み手に疑問を抱かせないように情報を記載し、そのまま記事にできるようなプレスリリースだと時間に追われているメディアの方々もうれしいかもしれませんね。
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