意味不明な○○はイヤ!現役記者が読む気になれないプレスリリースVol.7
毎日約400本ものプレスリリースを受け取っている記者の方に、読む気になれないプレスリリースについて直接お話を伺いました。実際に記者の方に届いたプレスリリースの中で、読む気になれなかったプレスリリース事例です。
事例その7:メールの件名の意味が分からないプレスリリース
事例その7は『メールの件名の意味が分からないプレスリリース』です。
最近受け取ったプレスリリースのメールの件名にこのようなものがありました。
どんな件名ですか?
「報道関係者各位」という件名で届きました。
なんのプレスリリースなんだか分かりませんね。
はい。記者は超能力者ではありませんので、一目で内容を理解できるように、件名には企業の新しい活動を簡潔にまとめたプレスリリースのタイトルを書いてください。
簡潔にということもポイントですね。
その通りです。タイトルは文章ではなく事象を言い切る形がよいですね。
文章のようなタイトルもよく見かけますね。
その文章をまとめたものがタイトルになります。一目で理解できるよう、なるべく短く端的にまとめてほしいものです。
なるほど。その他にも良く見かけるものはありますか?
そうですね。よく見かける件名の1つに「プレスリリース掲載のお願い」というものがあります。
こちらも内容が分かりませんね。
お願いされても掲載はできません。記事として取り上げるのは記者ですし、内容が分からなければ読む気にもなれません。
そうですよね。
あと新年に多いのが「謹賀新年 ○○株式会社」という件名です。
新年のあいさつですか?
試しにメールを開いてみたところ「本年も宜しくお願い致します。」としか書いてありませんでした。これはもう論外です。それを見た記者が記事を書くことができると思いますか?
記事にできないですね。
新しい活動がなければ、プレスリリースではありません。新年の挨拶は自社のサイトのお知らせに書いておけば良いと思います。
お知らせとプレスリリースは違いますよね。
はい。混同している方がものすごく多いですね。休業のお知らせや日々のブログの更新情報などもプレスリリースとしては不適切です。また、プレスリリースを受け取った方全員が自社製品を知っている前提でタイトルを書いている方も多いです。商品名は架空ですが、例えば「TRANSLAT新発売」のようなケースです。
商品なんだかサービスなんだか分かりませんね。
そうなんです。誰が読んでも分かるように書くということはプレスリリースの基本中の基本です。「TRANSLAT」が、どのようなものなのか修飾語を付けましょう。また読み方も分かりません。
読み方も書いたほうが親切ですか?
もちろんです。一番初めに出てくる文言には読み仮名を付けると良いです。全ての読み手が分かるように記載しましょう。
はい!先ほどのタイトルはどのような点に注意して修正すればよいでしょうか?
それでは、先ほどのタイトル「TRANSLAT新発売」を少し修正してみましょう。
まずは修飾語と読み仮名を付け加えます。
ポータブル音声翻訳機TRANSLAT(トランスラット)新発売
そして、1番打ち出したいことを付け加えます。
ポータブル音声翻訳機TRANSLAT(トランスラット)新発売。
全世界7,000種の言語に対応し訪日外国人との双方向対話を可能に。
のようにするとどうでしょうか?
ぱっと見ただけで内容が理解できるようになりました。
ですよね。記者が受け取ったプレスリリースを読むか読まないかは、タイトルで決まると言っても過言ではないですね。タイトルを考えるのに1番時間を割くべきだと思いますよ。
- プレスリリースをメールで送る場合、件名にはタイトルを記載する!
- プレスリリースを読むか読まないかはタイトルで決まる!