在宅にて医療的ケアが必要な子ども「医ケア児」の災害時避難手段・一時避難所としてキャンピングカーを活用するアシストネットワーク事業「ひなんピング」を運営する特定非営利活動法人輝くママ支援ネットワーク「ぱらママ」(岡山県岡山市、代表理事:頼定弥生)は、自然災害の多い日本において、重要な課題である災害時の安全確保をすべての人が実現可能にするため、医ケア児の避難訓練を実施しました。
※医療的ケアが必要な子ども 以下「医ケア児」
医療的ケア児とは、新生児集中治療室(NICU)などに長期入院後、引き続き人工呼吸器や胃ろうなどを使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な児童(18歳以上の高校生を含む)のこと。周産期先進医療の発展により医療的ケア児は増加傾向にあり、厚労省のまとめ(令和元年)では在宅で全国に推計約2万人いるとされる。
※医療的ケアが必要な子ども 以下「医ケア児」
医療的ケア児とは、新生児集中治療室(NICU)などに長期入院後、引き続き人工呼吸器や胃ろうなどを使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な児童(18歳以上の高校生を含む)のこと。周産期先進医療の発展により医療的ケア児は増加傾向にあり、厚労省のまとめ(令和元年)では在宅で全国に推計約2万人いるとされる。
■医ケア児の避難の現状
環境の変化に弱く、また免疫力が弱いため、避難所には、医療機器を動かすことができる電源、隔離された部屋、温度調整が可能な設備など、個々の事情に沿った設備や配慮が必要です。学校や公民館など、一般的な避難所では災害から逃れられたとしてもそこで過ごすことは困難であることが容易に推測されます。
西日本豪雨災害時には、要支援者のための公的避難所が機能しなかったこと、当事者家族に有効で十分な情報がなかったこと、災害は逃れたものの行き場所がなかったこと、かかりつけの医師・看護師が同じ被災者であったことなど、課題が浮き彫りになりました。
環境の変化に弱く、また免疫力が弱いため、避難所には、医療機器を動かすことができる電源、隔離された部屋、温度調整が可能な設備など、個々の事情に沿った設備や配慮が必要です。学校や公民館など、一般的な避難所では災害から逃れられたとしてもそこで過ごすことは困難であることが容易に推測されます。
西日本豪雨災害時には、要支援者のための公的避難所が機能しなかったこと、当事者家族に有効で十分な情報がなかったこと、災害は逃れたものの行き場所がなかったこと、かかりつけの医師・看護師が同じ被災者であったことなど、課題が浮き彫りになりました。
■避難訓練をする意義
「誰もが命を守れる社会への一歩」
医ケア児の発災時の備えとして自治体が「個別避難計画書」を地域の自主防災組織や民生委員・児童委員、医療・保健・福祉の専門職などの関係者と連携して作成します。
医ケア児の個別避難計画書の作成は市町村の努力義務とされていますが、なかなか進んでいない現状があります。
また、これは紙ベースでの作成であるため、例えば医ケア児の状況に変化があったり薬の内容が変わったりといった際に新しい情報に変更をすることが容易ではありません。また、発災時に持ち出すため、事前に印刷をして準備をしておく必要があります。
これらの問題を解消すべく、特定非営利活動法人輝くママ支援ネットワーク ぱらママは、個別避難計画書をWEB上で管理することのできるシステム「イッツミー!」を構築しました。
紙ベースの個別避難計画書も、このイッツミーも作成後に、その計画に沿った避難が実際に可能であるか、問題点は何か?など計画書の検証をする機会がありません。そこで、避難訓練を実施することで、避難時の課題を抽出し、改善していくことが必要となります。
町内会が中心となり、地域で避難訓練は実施されていますが、医ケア児家族は参加しづらいことは容易に想像できます。
また、近年、地域社会での交流が希薄になっているため、近所で声を掛け合うことがなく、周囲の人が医ケア児家族の状況を把握することができず、また、病気のことについても知ることができません。
このような状況では、発災時に地域の方はどのような支援をすれば良いか分からず、医ケア児家族はサポートを受けることが困難になります。
このようなミスマッチを解消すべく、また、「イッツミー!」の検証のためにも地域を巻き込んだ避難訓練を開催することには意義があり、そして全国のモデルケースにもなることができます。
「誰もが命を守れる社会への一歩」
医ケア児の発災時の備えとして自治体が「個別避難計画書」を地域の自主防災組織や民生委員・児童委員、医療・保健・福祉の専門職などの関係者と連携して作成します。
医ケア児の個別避難計画書の作成は市町村の努力義務とされていますが、なかなか進んでいない現状があります。
また、これは紙ベースでの作成であるため、例えば医ケア児の状況に変化があったり薬の内容が変わったりといった際に新しい情報に変更をすることが容易ではありません。また、発災時に持ち出すため、事前に印刷をして準備をしておく必要があります。
これらの問題を解消すべく、特定非営利活動法人輝くママ支援ネットワーク ぱらママは、個別避難計画書をWEB上で管理することのできるシステム「イッツミー!」を構築しました。
紙ベースの個別避難計画書も、このイッツミーも作成後に、その計画に沿った避難が実際に可能であるか、問題点は何か?など計画書の検証をする機会がありません。そこで、避難訓練を実施することで、避難時の課題を抽出し、改善していくことが必要となります。
町内会が中心となり、地域で避難訓練は実施されていますが、医ケア児家族は参加しづらいことは容易に想像できます。
また、近年、地域社会での交流が希薄になっているため、近所で声を掛け合うことがなく、周囲の人が医ケア児家族の状況を把握することができず、また、病気のことについても知ることができません。
このような状況では、発災時に地域の方はどのような支援をすれば良いか分からず、医ケア児家族はサポートを受けることが困難になります。
このようなミスマッチを解消すべく、また、「イッツミー!」の検証のためにも地域を巻き込んだ避難訓練を開催することには意義があり、そして全国のモデルケースにもなることができます。
■医ケア児の避難訓練実施概要
災害のたびに、避難が困難な人々への支援体制が問われます。
そんな中、特定非営利活動法人輝くママ支援ネットワーク ぱらママは、みんなが安全に避難できる環境をつくるため、医ケア児の避難訓練を実施しました。
この訓練は、単に「災害対策」に留まらず、災害時における支援の課題や必要なサポート体制を見つめ直し、地域全体で支え合う社会の実現を目指すための貴重な一歩となりました。
実施日: 2024年9月26日(木) 快晴
対象者::大石恵愛(えま)ちゃん :骨形成不全症 2型
大石さん一家
支援者:町内会防災会の皆様(町内会長・民生委員・愛育委員・体育委員)5名
地域担当の保健師
ぱらママスタッフ 3名
協力:指定避難場所の小学校
実施内容
地域の方にご協力いただく避難訓練は、依頼書の作成、地域担当の保健師への連絡や承認、避難予定場所(小学校校長)への連絡、支援者との打合せなどが必要でした。事前の段取りが重要となります。
当日は、避難するにあたり必要な情報を事前に入力済である「イッツミー!」と医師・看護師監修のもと作成した「避難訓練マニュアル」を活用し、医ケア児の状態や実際に避難場所に持って行くもの、想定する災害の内容や避難経路、避難する際の注意点を確認しながら進めました。
・事前準備編
https://www.hinanping.com/report/hinan-kunren-jizen-junbi/
・当日打合せ・持ち出し準備編
https://www.hinanping.com/report/https-www-hinanping-com-report-hinan-kunren-meeting-jyunbi/
・避難訓練実施編
https://www.hinanping.com/report/hinan-kunren-jisshi/
避難訓練を行うことで、個別避難計画書には記載のない持出品が必要なことがわかったり、いつどのような支援が必要なのかが明確になったりと、避難方法や手順を見直すことができます。また、支援者側も、誰がどのような役割を担えば良いのかサポート体制を明確にすることができます。
地域の人々が避難訓練に参加することで、医ケア児とその家族のことを知ることができ、知ってもらうことができます。平時から安心して助けを求め求められるような環境が整い、連携を強化する機会にもなります。
■避難訓練を終えて
今回の避難訓練をきっかけとして、「いつでも声かけてね、隣に住んでるのよ。」「障がいを持ったお子さんがいることはしっていたけどこちらからは声をかけづらかったの。」「これからはみんなで助け合って命を守りましょう。」と地域の人々がつながることができました。
自分から声をあげづらく、そもそも避難について行動する時間と心の余裕がない医ケア児家族と地域の人々の潤滑油になれたこの避難訓練が全国に広がることを願います。「避難訓練マニュアル」や「イッツミー!」を活用いただければと思います。
災害のたびに、避難が困難な人々への支援体制が問われます。
そんな中、特定非営利活動法人輝くママ支援ネットワーク ぱらママは、みんなが安全に避難できる環境をつくるため、医ケア児の避難訓練を実施しました。
この訓練は、単に「災害対策」に留まらず、災害時における支援の課題や必要なサポート体制を見つめ直し、地域全体で支え合う社会の実現を目指すための貴重な一歩となりました。
実施日: 2024年9月26日(木) 快晴
対象者::大石恵愛(えま)ちゃん :骨形成不全症 2型
大石さん一家
支援者:町内会防災会の皆様(町内会長・民生委員・愛育委員・体育委員)5名
地域担当の保健師
ぱらママスタッフ 3名
協力:指定避難場所の小学校
実施内容
地域の方にご協力いただく避難訓練は、依頼書の作成、地域担当の保健師への連絡や承認、避難予定場所(小学校校長)への連絡、支援者との打合せなどが必要でした。事前の段取りが重要となります。
当日は、避難するにあたり必要な情報を事前に入力済である「イッツミー!」と医師・看護師監修のもと作成した「避難訓練マニュアル」を活用し、医ケア児の状態や実際に避難場所に持って行くもの、想定する災害の内容や避難経路、避難する際の注意点を確認しながら進めました。
・事前準備編
https://www.hinanping.com/report/hinan-kunren-jizen-junbi/
・当日打合せ・持ち出し準備編
https://www.hinanping.com/report/https-www-hinanping-com-report-hinan-kunren-meeting-jyunbi/
・避難訓練実施編
https://www.hinanping.com/report/hinan-kunren-jisshi/
避難訓練を行うことで、個別避難計画書には記載のない持出品が必要なことがわかったり、いつどのような支援が必要なのかが明確になったりと、避難方法や手順を見直すことができます。また、支援者側も、誰がどのような役割を担えば良いのかサポート体制を明確にすることができます。
地域の人々が避難訓練に参加することで、医ケア児とその家族のことを知ることができ、知ってもらうことができます。平時から安心して助けを求め求められるような環境が整い、連携を強化する機会にもなります。
■避難訓練を終えて
今回の避難訓練をきっかけとして、「いつでも声かけてね、隣に住んでるのよ。」「障がいを持ったお子さんがいることはしっていたけどこちらからは声をかけづらかったの。」「これからはみんなで助け合って命を守りましょう。」と地域の人々がつながることができました。
自分から声をあげづらく、そもそも避難について行動する時間と心の余裕がない医ケア児家族と地域の人々の潤滑油になれたこの避難訓練が全国に広がることを願います。「避難訓練マニュアル」や「イッツミー!」を活用いただければと思います。
■特定非営利活動法人輝くママ支援ネットワーク「ぱらママ」について
◎お問合せ先/事務所所在地
〒700-0921 岡山市北区東古松485-4 2F
TEL:086-238-8037 FAX:086-206-6655 HP:https://paramama.jp
代表理事:頼定 弥生(よりさだ やよい)
◎設立・創立年月日
設立:平成22年4月1日 創立(法人化):平成24年8月1日
◎行政との活動実績
平成24年より、内閣府、岡山県、岡山市、赤磐市など、女性の社会参画に関わる事業を実施
◎お問合せ先/事務所所在地
〒700-0921 岡山市北区東古松485-4 2F
TEL:086-238-8037 FAX:086-206-6655 HP:https://paramama.jp
代表理事:頼定 弥生(よりさだ やよい)
◎設立・創立年月日
設立:平成22年4月1日 創立(法人化):平成24年8月1日
◎行政との活動実績
平成24年より、内閣府、岡山県、岡山市、赤磐市など、女性の社会参画に関わる事業を実施