INVEST IN TOULOUSE(インベスト・イン・トゥールーズ:トゥールーズ・メトロポール誘致局経済振興部)は、トゥールーズ大都市圏で地域の魅力を発信し、経済誘致を担う機関です。当機関は、本日、トゥールーズ地域の日本企業に対する支援の好事例として、昨年トゥールーズに進出した株式会社アストロスケールホールディングス(本社:東京、以下アストロスケール)のフランス子会社Astroscale France SAS(以下、アストロスケールフランス)の2024年の事業拡大を報告します。
アストロスケールが宇宙産業の首都トゥールーズを選出
2013年に設立されたアストロスケールは、持続可能な宇宙環境を目指し、軌道上サービスに取り組む日本企業です。2023年6月、同社は、フランス子会社アストロスケールフランスの設立と、フランス国立宇宙研究センター(CNES)とのパートナーシップを発表しました。これにはフランス由来のデブリの除去を目的とした研究等が含まれ、本研究においてはCNESが資金提供を行います。
アストロスケールフランスのPhilippe Blatt(フィリップ・ブラット)マネージング・ディレクターは、CNESや宇宙産業のエコシステムの他のプレーヤーと緊密に連携するチームを構築するにあたり、こう述べています。
「トゥールーズには、ビジネスチャンス、パートナー、サプライヤーの密なネットワークがあり、フランス全国から人材が集まっています。フランスの宇宙経済のホットスポットに合流し、軌道上サービス部門のリーダーとしての地位を確立することに期待を膨らませています。」
アストロスケールの岡田 光信CEOは、トゥールーズを選んだ理由をこう語ります。
「フランスに進出するにあたり、宇宙エコシステムや人材、生活の質、そして投資と支援の機会を踏まえ、トゥールーズが最良の場所だと判断しました。アストロスケールフランスの設立を支援してくださったINVEST IN TOULOUSEに感謝するとともに、これからチームと施設を拡大していくことを楽しみにしています。」
同子会社はトゥールーズの中心地に新オフィスを開設、2024年1月現在、4名の従業員を擁しています。今後、衛星の組み立て・統合・試験のためのテクニカル・センターを開設、2024年末までに現地従業員を20名に拡大するとしています。
インベスト・イン・トゥールーズが提供するオーダーメイドの支援
アストロスケールの進出候補地としては、フランスのいくつかの都市が候補に挙がっていましたが、トゥールーズ・メトロポール誘致局の経済振興部“INVEST IN TOULOUSE”は、地域のキーパーソンとの面談や行政手続きの円滑化など、個別の支援を通じて、アストロスケールのプロジェクトを支援しました。アストロスケールは、宇宙分野のダイナミズムと成長、そして人材を迅速に採用できる可能性に確信を持ち、技術開発のための恒久的な拠点とフランス本社としてトゥールーズを選びました。
「アストロスケールがトゥールーズに拠点を開設することは、CNESとJAXAという両国の国家機関の戦略的連携をより具現化します。また、この分野の産業界とパートナー間のつながりも強化されます。」と、トゥールーズ・メトロポール誘致局のJean-Claude DARDELET(ジャン・クロード・ダルドレ)局長は述べています。
日本との国際協力 :トゥールーズ、日本の宇宙関連企業やNewSpaceの進出に理想的な選択肢
トゥールーズ・メトロポールは、トゥールーズを含む地域が京都府と友好提携を交わした2015年以来、日本との強い関係を維持しています。
ラグビーワールドカップ2023は、両地域間の協力関係の集大成でした。日本代表のベースキャンプ地として選ばれたトゥールーズは、日本代表団を歓迎する一方で、約50社の日本企業を招待し、現地のエコシステムや航空・宇宙部門の主要企業との会談など、地域の経済資産を紹介する機会を設けました。
トゥールーズはまさにヨーロッパの航空・宇宙の中心地であり、この分野における世界の主要な産業プレーヤーを迎え入れています。この最先端産業のバリューチェーン全体(トレーニング、研究、設計、生産、飛行試験、運用、解体、リサイクル)がここに集約されています。欧州の労働力の1/4が集まるなど、トゥールーズには宇宙産業の主要企業が集中し、世界クラスの機関や最先端の研究所にアクセスすることができます。宇宙およびNewSpaceのハブとしての地位を確立し、その主導的地位を維持したいと考えています。このような専門知識とインフラの集積は、大規模な宇宙プロジェクトへの参加を検討している日本の投資家にとって、間違いなく魅力的です。
トゥールーズは宇宙分野での多くの国際協力の場でもあります。欧州宇宙機関(ESA)やNATOの宇宙センター・オブ・エクセレンスなどの組織に加え、フランス国立宇宙研究センター(CNES)といった著名な研究機関の存在は、国際的なパートナーシップを促進し、イノベーションを刺激し、この分野における日本企業への投資と協力関係の構築に適した環境を作り出します。
また、トゥールーズには優れた空港と物流インフラがあり、宇宙プロジェクトに携わる投資家にとって不可欠な国際間の移動や物資の輸送を容易にしています。
主要データ
都市部人口: 130万人
ダイナミックな人口増加:年間15,000人増
研究開発のリーダー:22,000人の研究者、400の研究ユニット、120,000人の学生(うち留学生15,000人)
航空宇宙部門の直接雇用人口:35,800人(オクシタニー地域全体で85,000人)
INVEST IN TOULOUSE(インベスト・イン・トゥールーズ:トゥールーズ・メトロポール誘致局経済振興部)について
トゥールーズ・メトロポール誘致局は、2016年、大都市圏トゥールーズの経済的・観光的魅力の発展に貢献するあらゆる政策やプロモーション、地域マーケティング、調査、支援活動を実施するために設立されました。
中でもインベスト・イン・トゥールーズのチームは、トゥールーズの経済発展のための政策を展開し、進出可能性のある企業を開拓・招へいし、特にこの地域が得意とする分野において日本の投資家を惹きつけたいと考えています。