株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内非住宅木造市場を調査し、市場規模、セグメント別動向、将来展望を明らかにした。
1.市場概況
2021年度の国内非住宅木造市場規模(新築+増改築)は、床面積ベースで前年度比8.5%減の3,526千平方メートル、工事費予定額ベースで同8.7%減の5,952億円となり、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた2020年度に続き、前年度から減少した。
市場が大幅に減少した主な理由として、ウッドショック※の影響が挙げられる。ウッドショックにより、木材の入手が困難になったことや木材価格の高騰などで建築費用が増加し、民間建築物などでは建築主(施主)は当初の想定投資利回りを確保できなくなったことなどを理由に、事業の中断や延期が多々発生した影響で非住宅木造市場はニ年度連続で大幅に減少した。
※ ウッドショック:コロナ禍以降の中国・アメリカを中心とした新築着工ラッシュによる木材需要の急拡大等により、木材需要が増加し木材価格が急騰したこと。
1.市場概況
2021年度の国内非住宅木造市場規模(新築+増改築)は、床面積ベースで前年度比8.5%減の3,526千平方メートル、工事費予定額ベースで同8.7%減の5,952億円となり、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた2020年度に続き、前年度から減少した。
市場が大幅に減少した主な理由として、ウッドショック※の影響が挙げられる。ウッドショックにより、木材の入手が困難になったことや木材価格の高騰などで建築費用が増加し、民間建築物などでは建築主(施主)は当初の想定投資利回りを確保できなくなったことなどを理由に、事業の中断や延期が多々発生した影響で非住宅木造市場はニ年度連続で大幅に減少した。
※ ウッドショック:コロナ禍以降の中国・アメリカを中心とした新築着工ラッシュによる木材需要の急拡大等により、木材需要が増加し木材価格が急騰したこと。
2.注目トピック~SDGsやカーボンニュートラルへの対応などと高い親和性のある非住宅木造
現在、社会全体として、SDGsやカーボンニュートラルといった環境意識が高まっており、企業もそれらへの貢献が期待されている。そのような背景の中、木はCO2を貯蔵・削減するといった特徴があることから、従来、非住宅建築物に多かったS/RC造ではなく、積極的に木造を選択して非住宅木造建築物を建築する事例が増加している。
実際に、木造に加え、S/RC造などと木造を組み合わせた混構造(ハイブリッド構造)のオフィスビルのニーズが拡大しており、2020年度はコロナ禍により、非住宅木造市場全体は大きく減少したが、国土交通省「建築着工統計」におけるオフィスビルに該当する「事務所」(木造)は床面積ベース:前年度比100.1%、金額ベース:同101.1%、棟数ベース:同100.2%と底堅く推移していることは注目に値する。
3.将来展望
2022年度はコロナ禍での行動制限も緩和されて経済活動が正常化する中、事業を中断していた案件の着工も徐々に再開していることや、ウッドショックの影響による木材の供給制約も緩和されつつあることから、2022年度の非住宅木造市場規模は床面積ベースで前年度比102.1%の3,600千平方メートル、工事費予定額ベースで同102.5%の6,100億円と予測する。
2025年度の同市場規模は床面積ベースで4,400千平方メートル(2021年度比124.8%)、工事費予定額ベースで7,700億円(同129.4%)に拡大すると予測する。このように市場が拡大する理由としては、一層の環境意識の高まりが今後も期待されることが挙げられる。特に、企業はSDGsやESG(Environment、Social、Governance)投資への対応が本格化すると考えられる。そして、木はCO2を貯蔵・削減するといった特徴がSDGsやESG投資等の観点で高い親和性があることから、今後は、より積極的に木を活用されることが見込まれる。そして、非住宅木造は大量の木材を活用し、環境負荷軽減に大きく寄与することからも、非住宅木造建築物に積極的に取り組む事例が増加し、2025年度にかけて市場は拡大していく見通しと考える。
※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3090
調査要綱
1.調査期間: 2022年7月~9月
2.調査対象: 非住宅分野の木造構造建築物に取り組む事業者(ゼネコン、ハウスメーカー、構工法メーカー、建材メーカー、プレカットメーカー、木質構造材・集成材メーカー等)
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・email等によるヒアリング、ならびに文献調査併用 ※独立行政法人統計センターによる国土交通省「建築着工統計」のオーダーメード集計データを基に矢野経済研究所推計。(なお、2010~2021年度の実績データは統計法に基づいて、独立行政法人統計センターから「建築着工統計」(国土交通省)のオーダーメード集計により提供を受けた統計成果物を基にしており、国土交通省が作成・公表している統計等とは異なります。)
4.発刊日:2022年09月30日
お問い合わせ
⇒プレスリリースの内容や引用についてのお問い合わせは下記までお願いいたします。
株式会社矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム
https://www.yano.co.jp/contact/contact.php/press
株式会社矢野経済研究所
https://www.yano.co.jp/
現在、社会全体として、SDGsやカーボンニュートラルといった環境意識が高まっており、企業もそれらへの貢献が期待されている。そのような背景の中、木はCO2を貯蔵・削減するといった特徴があることから、従来、非住宅建築物に多かったS/RC造ではなく、積極的に木造を選択して非住宅木造建築物を建築する事例が増加している。
実際に、木造に加え、S/RC造などと木造を組み合わせた混構造(ハイブリッド構造)のオフィスビルのニーズが拡大しており、2020年度はコロナ禍により、非住宅木造市場全体は大きく減少したが、国土交通省「建築着工統計」におけるオフィスビルに該当する「事務所」(木造)は床面積ベース:前年度比100.1%、金額ベース:同101.1%、棟数ベース:同100.2%と底堅く推移していることは注目に値する。
3.将来展望
2022年度はコロナ禍での行動制限も緩和されて経済活動が正常化する中、事業を中断していた案件の着工も徐々に再開していることや、ウッドショックの影響による木材の供給制約も緩和されつつあることから、2022年度の非住宅木造市場規模は床面積ベースで前年度比102.1%の3,600千平方メートル、工事費予定額ベースで同102.5%の6,100億円と予測する。
2025年度の同市場規模は床面積ベースで4,400千平方メートル(2021年度比124.8%)、工事費予定額ベースで7,700億円(同129.4%)に拡大すると予測する。このように市場が拡大する理由としては、一層の環境意識の高まりが今後も期待されることが挙げられる。特に、企業はSDGsやESG(Environment、Social、Governance)投資への対応が本格化すると考えられる。そして、木はCO2を貯蔵・削減するといった特徴がSDGsやESG投資等の観点で高い親和性があることから、今後は、より積極的に木を活用されることが見込まれる。そして、非住宅木造は大量の木材を活用し、環境負荷軽減に大きく寄与することからも、非住宅木造建築物に積極的に取り組む事例が増加し、2025年度にかけて市場は拡大していく見通しと考える。
※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3090
調査要綱
1.調査期間: 2022年7月~9月
2.調査対象: 非住宅分野の木造構造建築物に取り組む事業者(ゼネコン、ハウスメーカー、構工法メーカー、建材メーカー、プレカットメーカー、木質構造材・集成材メーカー等)
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・email等によるヒアリング、ならびに文献調査併用 ※独立行政法人統計センターによる国土交通省「建築着工統計」のオーダーメード集計データを基に矢野経済研究所推計。(なお、2010~2021年度の実績データは統計法に基づいて、独立行政法人統計センターから「建築着工統計」(国土交通省)のオーダーメード集計により提供を受けた統計成果物を基にしており、国土交通省が作成・公表している統計等とは異なります。)
4.発刊日:2022年09月30日
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