株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の新卒採用支援サービス市場(7市場計)を調査し、各種サービス別の市場動向、参入事業者の動向、将来展望を明らかにいたしました。
1.市場概況
2020年度の新卒採用支援サービスの市場規模(7市場計)は、前年度比9.2%減の1,168億3,000万円であった。2020年度は、コロナ禍によるマイナス影響から市場が縮小している。
例年、3月からは就職活動の解禁に合わせて学生・企業ともに活動量が多くなるが、2020年はコロナ禍の中で採用活動/就職活動も休止状態となり、その後、オンラインイベントやWeb面接など、オンラインを中心とした採用活動が再開されたものの、事業に影響を受けた求人企業においては採用縮小が起きており、新卒採用支援サービス全般の利用機会減少、および学生優位の売り手市場が緩和する傾向が見受けられた。
2021年以降は、国内の経済活動が戻るにつれて求人企業による新卒採用意欲が回復しており、新卒採用支援サービス市場全体でサービスニーズが回復している。なかでも、新卒紹介サービスおよびダイレクトリクルーティングサービスは、オンライン化した採用活動/就職活動で活用しやすいサービス形態である点や、コロナ禍以降、一括大量採用から転じて厳選採用の様相を呈している現在の新卒採用ニーズにマッチしている点から、ニーズが一層高まっている。
今後、コロナ禍が終息し、コロナ禍以前のように対面型の採用活動が制限なく実施できるようになった場合も、オンラインサービスに対する需要は高く保たれることが予測される。当該市場の参入事業者においては、継続的なニーズの取り込みに向けてオフラインとオンラインを併用したハイブリッド型のサービス展開が必要となる。
2.注目トピック~コロナ禍を経てニーズが高まるダイレクトリクルーティングサービス
ダイレクトリクルーティングサービスは、求人企業が自社の採用要件を満たす学生(または採用したい学生、気になる学生など)に対して、主体的に直接アプローチ・コンタクトをとることができるオンラインサービスである。
当該サービスは、コロナ禍以前から、学生優位の売り手市場を背景に早期から学生の囲い込みを図る企業の増加ならびに早期から就職活動を開始する学生の増加によって、利用企業数と登録学生数が大きく伸長してきた。コロナ禍以降も、採用活動/就職活動のオンライン化や、利用機会が減少したイベントサービスなどからの切り替え需要により引き続き利用機会が拡大しており、就職情報サイトや新卒紹介サービスに並ぶ就活・採用手法として定着しつつある。
また、コロナ禍以降はこれまでイベントや就職情報サイト、新卒紹介サービスなど様々な領域でサービスを展開してきた参入事業者が、ダイレクトリクルーティングサービスの販売代理店となって営業活動を開始するケースが散見されていることからも、サービスに対するニーズの高まりが伺える。
現状、当該サービスの登録学生数は1サービスあたり数万~十数万人規模であることから、利用学生数の拡大に必要なポテンシャルは十分にあり、今後も市場の拡大が予測されるサービスである。
3.将来展望
2021年度の新卒採用支援サービスの市場規模は前年度比5.4%増の1,231億円の見込み、2022年度は同4.4%増の1,285億4,000万円を予測する。
2021年度は、コロナ禍によるマイナス影響が残るものの、オンラインでの採用活動が定着したことによる各種オンラインサービスの利用機会の拡大や、求人企業の新卒採用意欲の回復に伴って市場が回復に転ずるものと見込む。なお、当該7分野の市場すべてでプラス成長が見込まれる。
2022年度は、引き続き採用意欲が高まることに加え、ダイレクトリクルーティングサービスや新卒紹介サービスの需要拡大によって市場の回復が続き、市場規模はコロナ禍以前の水準に近づくものと予測する。
※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2946
調査要綱
1.調査期間: 2021年10月~2022年2月
2.調査対象: 新卒採用支援サービス事業者、有力大学法人等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・FAX・電子メールによるヒアリング調査、ならびに文献調査併用
4.発刊日:2022年02月28日
お問い合わせ
⇒プレスリリースの内容や引用についてのお問い合わせは下記までお願いいたします。
株式会社矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム
https://www.yano.co.jp/contact/contact.php/press
株式会社矢野経済研究所
https://www.yano.co.jp/
1.市場概況
2020年度の新卒採用支援サービスの市場規模(7市場計)は、前年度比9.2%減の1,168億3,000万円であった。2020年度は、コロナ禍によるマイナス影響から市場が縮小している。
例年、3月からは就職活動の解禁に合わせて学生・企業ともに活動量が多くなるが、2020年はコロナ禍の中で採用活動/就職活動も休止状態となり、その後、オンラインイベントやWeb面接など、オンラインを中心とした採用活動が再開されたものの、事業に影響を受けた求人企業においては採用縮小が起きており、新卒採用支援サービス全般の利用機会減少、および学生優位の売り手市場が緩和する傾向が見受けられた。
2021年以降は、国内の経済活動が戻るにつれて求人企業による新卒採用意欲が回復しており、新卒採用支援サービス市場全体でサービスニーズが回復している。なかでも、新卒紹介サービスおよびダイレクトリクルーティングサービスは、オンライン化した採用活動/就職活動で活用しやすいサービス形態である点や、コロナ禍以降、一括大量採用から転じて厳選採用の様相を呈している現在の新卒採用ニーズにマッチしている点から、ニーズが一層高まっている。
今後、コロナ禍が終息し、コロナ禍以前のように対面型の採用活動が制限なく実施できるようになった場合も、オンラインサービスに対する需要は高く保たれることが予測される。当該市場の参入事業者においては、継続的なニーズの取り込みに向けてオフラインとオンラインを併用したハイブリッド型のサービス展開が必要となる。
2.注目トピック~コロナ禍を経てニーズが高まるダイレクトリクルーティングサービス
ダイレクトリクルーティングサービスは、求人企業が自社の採用要件を満たす学生(または採用したい学生、気になる学生など)に対して、主体的に直接アプローチ・コンタクトをとることができるオンラインサービスである。
当該サービスは、コロナ禍以前から、学生優位の売り手市場を背景に早期から学生の囲い込みを図る企業の増加ならびに早期から就職活動を開始する学生の増加によって、利用企業数と登録学生数が大きく伸長してきた。コロナ禍以降も、採用活動/就職活動のオンライン化や、利用機会が減少したイベントサービスなどからの切り替え需要により引き続き利用機会が拡大しており、就職情報サイトや新卒紹介サービスに並ぶ就活・採用手法として定着しつつある。
また、コロナ禍以降はこれまでイベントや就職情報サイト、新卒紹介サービスなど様々な領域でサービスを展開してきた参入事業者が、ダイレクトリクルーティングサービスの販売代理店となって営業活動を開始するケースが散見されていることからも、サービスに対するニーズの高まりが伺える。
現状、当該サービスの登録学生数は1サービスあたり数万~十数万人規模であることから、利用学生数の拡大に必要なポテンシャルは十分にあり、今後も市場の拡大が予測されるサービスである。
3.将来展望
2021年度の新卒採用支援サービスの市場規模は前年度比5.4%増の1,231億円の見込み、2022年度は同4.4%増の1,285億4,000万円を予測する。
2021年度は、コロナ禍によるマイナス影響が残るものの、オンラインでの採用活動が定着したことによる各種オンラインサービスの利用機会の拡大や、求人企業の新卒採用意欲の回復に伴って市場が回復に転ずるものと見込む。なお、当該7分野の市場すべてでプラス成長が見込まれる。
2022年度は、引き続き採用意欲が高まることに加え、ダイレクトリクルーティングサービスや新卒紹介サービスの需要拡大によって市場の回復が続き、市場規模はコロナ禍以前の水準に近づくものと予測する。
※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2946
調査要綱
1.調査期間: 2021年10月~2022年2月
2.調査対象: 新卒採用支援サービス事業者、有力大学法人等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・FAX・電子メールによるヒアリング調査、ならびに文献調査併用
4.発刊日:2022年02月28日
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