株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内スポーツアパレル市場を調査し、競技カテゴリー別の市場規模や、参入メーカーや流通の動向、将来展望を明らかにいたしました。
1.市場概況
2021年のスポーツアパレル国内市場規模は、メーカー出荷金額ベースで前年比109.7%の5,350億円となる見込みである。
2020年のスポーツアパレル市場は小売店舗の休業や営業短縮などコロナ禍の影響を多大に受け、販売不振に苦しむ小売業各社からはスポーツアパレルメーカーに対して発注キャンセルの依頼が相次いだ。メーカーがこうした要望を最大限受け入れて商品出荷を自重したことにより、店頭販売不振のなかでも流通在庫は大幅に削減された状況で2021年を迎えた。このように、メーカー各社の「我慢」により小売業各社の商品仕入の余地が広がったことで、2021年のスポーツアパレル市場は2020年から一定の回復を果たす見込みである。
しかし、2021年の出荷金額はコロナ禍前の2019年比95.2%とマイナス成長となり、スポーツアパレル市場が本格的に回復しているとは言えない。要因として挙げられるのはコロナ禍であり、2021年になっても国民のスポーツへの参加機会や参加時間も以前の状況には戻っていない。特に夏場から秋口にかけての感染拡大で小売店の販売は不振を極めている。
2.注目トピック~参加者増によりゴルフウエア好調
2021年のゴルフウエア市場は、2019年比100.1%の910億円を見込み、全12カテゴリーの中で唯一、ゴルフウエアのみ2019年の水準を僅かに上回る見込みである。ゴルフについては、いわゆる「三密」にあたらない屋外型のアクティビティとして認知されており、若年齢層を中心に新規参入ゴルファーが増加しており、ゴルフ練習場の多くは2021年に入っても施設利用者数前年比二桁増が続いている。特に、秋のゴルフシーズンに入ってからの土日は人気の高いゴルフ場の予約がなかなか取れないなど活況を呈しており、これがゴルフウエア市場の好調につながっていると考える。
但し、2021年春夏物の発注が行われる時点でここまでの好況を予測した関係者は少なく、メーカーの生産・小売店の発注ともに抑え気味であったため、小売店では在庫切れによる売り逃しが多発した。また、主要生産国のひとつであるベトナムにおいてロックダウンの影響で工場が稼働停止となり、秋冬物の商品が生産中止となるケースも多くなっている。
このように供給不足に悩まされている面はあるものの、コロナ禍を背景とした参加者増により、ゴルフウエア市場は他カテゴリーと比較すると好調に推移している。
3.将来展望
2022年のスポーツアパレル国内市場規模を、メーカー出荷金額ベースで前年比103.2%の5,521億9,000万円と予測する。
2021年10月に緊急事態宣言が解除されたことを受け、国民のスポーツへの参加機会や参加時間がコロナ禍以前に戻ることが期待される。但し、少子化の影響を受けて、サッカーや野球など人気スポーツを中心として特に若年層の競技人口減少が進んでいるとみられ、コロナ禍が終息して一人一人の参加状況が2019年並みに戻った場合でも、市場規模がコロナ禍前の水準にまで戻るカテゴリーは少ないと考えられる。そのため、スポーツアパレル国内出荷市場全体として2020年は上回るものの、2019年の規模にまでは戻らない見通しである。
※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2868
調査要綱
1.調査期間: 2021年8月~11月
2.調査対象: スポーツ関連企業(メーカー/サプライヤー・卸売業・小売業)
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに郵送アンケート調査併用
4.発刊日:2021年11月30日
お問い合わせ
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株式会社矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム
https://www.yano.co.jp/contact/contact.php/press
株式会社矢野経済研究所
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1.市場概況
2021年のスポーツアパレル国内市場規模は、メーカー出荷金額ベースで前年比109.7%の5,350億円となる見込みである。
2020年のスポーツアパレル市場は小売店舗の休業や営業短縮などコロナ禍の影響を多大に受け、販売不振に苦しむ小売業各社からはスポーツアパレルメーカーに対して発注キャンセルの依頼が相次いだ。メーカーがこうした要望を最大限受け入れて商品出荷を自重したことにより、店頭販売不振のなかでも流通在庫は大幅に削減された状況で2021年を迎えた。このように、メーカー各社の「我慢」により小売業各社の商品仕入の余地が広がったことで、2021年のスポーツアパレル市場は2020年から一定の回復を果たす見込みである。
しかし、2021年の出荷金額はコロナ禍前の2019年比95.2%とマイナス成長となり、スポーツアパレル市場が本格的に回復しているとは言えない。要因として挙げられるのはコロナ禍であり、2021年になっても国民のスポーツへの参加機会や参加時間も以前の状況には戻っていない。特に夏場から秋口にかけての感染拡大で小売店の販売は不振を極めている。
2.注目トピック~参加者増によりゴルフウエア好調
2021年のゴルフウエア市場は、2019年比100.1%の910億円を見込み、全12カテゴリーの中で唯一、ゴルフウエアのみ2019年の水準を僅かに上回る見込みである。ゴルフについては、いわゆる「三密」にあたらない屋外型のアクティビティとして認知されており、若年齢層を中心に新規参入ゴルファーが増加しており、ゴルフ練習場の多くは2021年に入っても施設利用者数前年比二桁増が続いている。特に、秋のゴルフシーズンに入ってからの土日は人気の高いゴルフ場の予約がなかなか取れないなど活況を呈しており、これがゴルフウエア市場の好調につながっていると考える。
但し、2021年春夏物の発注が行われる時点でここまでの好況を予測した関係者は少なく、メーカーの生産・小売店の発注ともに抑え気味であったため、小売店では在庫切れによる売り逃しが多発した。また、主要生産国のひとつであるベトナムにおいてロックダウンの影響で工場が稼働停止となり、秋冬物の商品が生産中止となるケースも多くなっている。
このように供給不足に悩まされている面はあるものの、コロナ禍を背景とした参加者増により、ゴルフウエア市場は他カテゴリーと比較すると好調に推移している。
3.将来展望
2022年のスポーツアパレル国内市場規模を、メーカー出荷金額ベースで前年比103.2%の5,521億9,000万円と予測する。
2021年10月に緊急事態宣言が解除されたことを受け、国民のスポーツへの参加機会や参加時間がコロナ禍以前に戻ることが期待される。但し、少子化の影響を受けて、サッカーや野球など人気スポーツを中心として特に若年層の競技人口減少が進んでいるとみられ、コロナ禍が終息して一人一人の参加状況が2019年並みに戻った場合でも、市場規模がコロナ禍前の水準にまで戻るカテゴリーは少ないと考えられる。そのため、スポーツアパレル国内出荷市場全体として2020年は上回るものの、2019年の規模にまでは戻らない見通しである。
※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2868
調査要綱
1.調査期間: 2021年8月~11月
2.調査対象: スポーツ関連企業(メーカー/サプライヤー・卸売業・小売業)
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに郵送アンケート調査併用
4.発刊日:2021年11月30日
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