合同会社実践サイコロジー研究所は、2016年からSNSコーチング(注1)による働く人のメンタルヘルスや目標達成のサポートを実施してきました。この度、インターネットを用いた対人援助(カウンセリング、心理療法、コーチング)の有効性に関する欧米の研究成果をまとめ、弊社での実践例と共に、2018年6月23日(土)に行われた日本人生哲学感情心理学会にて発表しました。日本人生哲学感情心理学会は、アルバート・エリスの認知行動療法に関する国内最大の学会です。
注1:SNSコーチングとは、SNSのテキストメッセージを用いたコーチング
<研究結果>
欧米では精神疾患に対するインターネット認知行動療法(CBT)を中心に、さまざまな研究が行われてきました(1)。これらの研究結果から、治療的効果があるだけでなく、費用対効果についても認められました。この知見を基に、我々は、SNSコーチングという手法を開発いたしました。具体的な支援方法として、クライエントに対して理想としている考えや行動を明確にしていき、活動記録を利用してその考えや行動がどの程度定着しているか評価していくということを行いました。
効果の大きかった事例を基に「SNSコーチング利用者の評価が高い理由について」記述的にまとめ、SNSコーチングの有効な5領域(メンタルヘルス不調者へのサポート、恋愛・家族・職場における人間関係の改善、禁煙や減量などの生活習慣の改善、副業や資格取得などの時間管理、組織におけるマネジメント)が示されました。またSNSコーチングの利点として、課題達成の進捗を毎日確認できること、ケースフォーミュレーション(問題行動の見立て)のための情報をリアルタイムに取得できること、匿名でいつでもどこでも実施できて利用しやすいことが挙げられました。
(発表の詳細:https://www.ppi.tokyo/single-post/gakkai-2018-6-23)
注1:SNSコーチングとは、SNSのテキストメッセージを用いたコーチング
<研究結果>
欧米では精神疾患に対するインターネット認知行動療法(CBT)を中心に、さまざまな研究が行われてきました(1)。これらの研究結果から、治療的効果があるだけでなく、費用対効果についても認められました。この知見を基に、我々は、SNSコーチングという手法を開発いたしました。具体的な支援方法として、クライエントに対して理想としている考えや行動を明確にしていき、活動記録を利用してその考えや行動がどの程度定着しているか評価していくということを行いました。
効果の大きかった事例を基に「SNSコーチング利用者の評価が高い理由について」記述的にまとめ、SNSコーチングの有効な5領域(メンタルヘルス不調者へのサポート、恋愛・家族・職場における人間関係の改善、禁煙や減量などの生活習慣の改善、副業や資格取得などの時間管理、組織におけるマネジメント)が示されました。またSNSコーチングの利点として、課題達成の進捗を毎日確認できること、ケースフォーミュレーション(問題行動の見立て)のための情報をリアルタイムに取得できること、匿名でいつでもどこでも実施できて利用しやすいことが挙げられました。
(発表の詳細:https://www.ppi.tokyo/single-post/gakkai-2018-6-23)
<研究の背景>
インターネット技術はここ数十年で著しい成長を遂げ、オンラインによる対人援助の研究・実践が幅広く行われています。
欧米では、オンライン・カウンセリングは、多くの研究で効果が認められており、対面でのカウンセリングにとって代わる可能性があるという見方が示されています(2)。特に、オンラインの認知行動療法に関する研究と実践が盛んです(3)。インターネットを用いた心理療法のメタ解析(注2)では、中程度の効果量が示され(それぞれd=.49、d=.44)、これは対面によるものと同等の効果だと結論付けられています(4)。
本邦においては、近年、中高生に対するSNSカウンセリングの有効性が認められるようになりましたが、成人を対象としたSNSコーチングについて検討した研究はありません。
注2:メタ解析とは、複数の論文で示された研究結果を統合して仮説検証する手法で、最も妥当性の高い介入効果の検証方法
<今後の課題>
今後は、SNSコーチングの効果が無作為化比較試験により検討される必要があります。また、実践の普及のためには、産学共同で倫理規定を作成しなくてはいけません。そして、SNSコーチングの手法を体系化し、実施者を養成する仕組みの整備が不可欠です。
【学会の概要】
日本人生哲学感情心理学会は、日本論理療法協会として1996年に設立された、アルバート・エリスの認知行動療法として知られる理性感情行動療法(REBT:Rational Emotive Behavior Therapy)に関する学会。REBTに関する国内最大の学会で、国内の認知行動療法に関する学会の中では、日本認知・行動療法学会に次いで2番目に歴史のある学会。産業保健、教育、福祉領域で働く対人援助職を中心に構成されている。
(学会ウェブサイト:http://j-rebt.org/)
【引用文献】
(1)Kumar V., Sattar Y., Bseiso A., Khan S., Rutkofsky I H.(2017). The effectiveness of internet-based Cognitive Behavioral Therapy in treatment of psychiatric disorders. Cureus9(8).
(2)Richard, D., & Viganó, N. (2013). Online counseling: A narrative and critical review of the literature. Journal of Clinical Psychology. 69(9), 994-1011.
(3)Gratzer, D., & Khalid-Khan, F. (2016). Internet-delivered cognitive behavioural theray in the treatment of psychiatric illness. Canadian Medical Association Journal, 188(4), 263-272.
(4)Barak, A., Hen, L., Boniel-Nissim, M., & Shapira, N. (2008). A comprehensive rewiew and a meta-analysis of the effectiveness of Internet-based psychotherapeutic interventions. Journal of Technology in Human Services, 26(2), 109-160.
【会社概要】
会社名:合同会社実践サイコロジー研究所
代表者:代表社員 木内 敬太
所在地:埼玉県さいたま市見沼区東大宮7-68-2 ATLAS弐番館101号室
TEL:050-5881-7054
URL:https://www.ppi.tokyo/
E-Mail:ppinstllc@gmail.com
事業内容:SNSコーチング、カウンセリング、EAP事業、ひきこもり支援、専門家養成など、各種心理学サービスの提供。
【本件に関するお問い合わせ先 】
合同会社実践サイコロジー研究所
担当者名:代表社員 木内 敬太
TEL:050-5881-7054
メール:ppinstllc@gmail.com