株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:此本 臣吾、以下「NRI」)は、2017年2月から3月にかけて、株式会社みずほ銀行(本社:東京都千代田区、頭取:藤原 弘治、以下「みずほ銀行」)と共同で、人工知能を活用し、デリバティブ取引における契約文書の読み取りや情報検索業務の効率化を目的とする実証研究(PoC:Proof of Concept)を実施しました。
http://www.nri.com/jp/news/2017/170731_1.aspx
(以下、ニュースリリース本文)
これまでみずほ銀行では、デリバティブ取引に係る契約業務の多くにおいて、紙媒体のISDA契約書*1をFAXやPDFなどでお客様とやり取りし、取引に係る情報をシステムに保存していました。個々の契約書には膨大な取引固有の情報が含まれていることから、システムへの情報登録や過去情報の参照などに多くの手作業と担当者の専門的な知見が必要とされ、業務の効率化の実現が課題となっていました。
NRIでは、これまで、業務効率化に資する人工知能の具体的な活用可能性を検証してきました。中でも、契約文書や取引帳票といった文書管理に係る業務効率化の領域において、実用化の事例や適用技術を評価してきた中で、英国のRAVN Systems社が人工知能技術を取り込んで独自に開発した認識エンジンプラットフォーム(iManage RAVN AI platform*2)のノウハウに着目し、本実証研究用のシステムを構築しました。
このシステムで、OCR(光学文字認識)により電子化したISDA契約書から、その契約書を構成する担保関連の条項などのデータを定型化して抽出し、情報検索が可能な形式で保存できることを確認しました。その結果、ISDA契約書締結に関する入力業務の簡素化、また過去の契約内容の照会も効率的に短時間で対応することが可能になりました。「業務効率化のみならずISDA契約書業務に係るノウハウの保存という観点からも効果を期待しています。(みずほ銀行 グローバルマーケッツ業務部 市場リーガル・コンプライアンスチーム 植木雅広参事役)」との評価を頂いています。
本実証研究の成果をもとに、デリバティブ契約業務への本格的な適用に向けて、みずほ銀行とNRIは引き続き連携し、有効性の検証を進めます。
NRIは、今後も人工知能やRPA*3などの先端技術を活用した取り組みを通じて、さらなる業務の品質向上と効率化を実現し、金融業界の発展に貢献していきます。
*1 ISDA契約書
国際スワップデリバティブ協会(ISDA:International Swaps and Derivatives Association)が作成した、デリバティブ取引の際の基本契約書の様式を指す。本実証研究では、ISDA様式の基本契約書、担保契約書およびその修正版(アメンドメント契約書)を対象にした。
*2 iManage RAVN AI Platform
英国ロンドンに本社を置くソフトウェア企業であるRAVN Systems社が、自然言語解析や機械学習の機能を持つ人工知能を搭載し、法律事務所や金融機関などに広く提供してきた文書の自動読み取りや要約を行う認識エンジンプラットフォーム。2017年5月24日に、RAVN Systems社が、世界65カ国以上でAIを用いた法務・経理等に関する文書管理サービスを提供するiManage社に買収された事に伴い、製品名称がiManage RAVN AI Platformに変更された。製品に関する詳細は、https://www.ravn.co.uk/products/applied-cognitive-engine/ を参照。また、iManage社については、https://imanage.com/ を参照。
*3 RPA(Robotic Process Automation)
マウス操作、システムへの入力、メールの送受信、Excel等のデータファイルの操作など、PC上で人間が行う各種操作を、人間に代わって人工知能や機械学習等を含む認知技術を活用して代行・代替する取り組みを指す。
詳細は http://fis.nri.co.jp/ja-JP/service/keyword/2017/201702.html を参照。
【ニュースリリースに関するお問い合わせ先】
株式会社野村総合研究所 コーポレートコミュニケーション部 若林、瀬戸
TEL:03-5877-7100 E-mail:kouhou@nri.co.jp
【ソリューションに関するお問い合わせ先】
株式会社野村総合研究所 金融デジタル企画一部 櫻井、丹羽
E-mail:wstech_info@nri.co.jp
http://www.nri.com/jp/news/2017/170731_1.aspx
(以下、ニュースリリース本文)
これまでみずほ銀行では、デリバティブ取引に係る契約業務の多くにおいて、紙媒体のISDA契約書*1をFAXやPDFなどでお客様とやり取りし、取引に係る情報をシステムに保存していました。個々の契約書には膨大な取引固有の情報が含まれていることから、システムへの情報登録や過去情報の参照などに多くの手作業と担当者の専門的な知見が必要とされ、業務の効率化の実現が課題となっていました。
NRIでは、これまで、業務効率化に資する人工知能の具体的な活用可能性を検証してきました。中でも、契約文書や取引帳票といった文書管理に係る業務効率化の領域において、実用化の事例や適用技術を評価してきた中で、英国のRAVN Systems社が人工知能技術を取り込んで独自に開発した認識エンジンプラットフォーム(iManage RAVN AI platform*2)のノウハウに着目し、本実証研究用のシステムを構築しました。
このシステムで、OCR(光学文字認識)により電子化したISDA契約書から、その契約書を構成する担保関連の条項などのデータを定型化して抽出し、情報検索が可能な形式で保存できることを確認しました。その結果、ISDA契約書締結に関する入力業務の簡素化、また過去の契約内容の照会も効率的に短時間で対応することが可能になりました。「業務効率化のみならずISDA契約書業務に係るノウハウの保存という観点からも効果を期待しています。(みずほ銀行 グローバルマーケッツ業務部 市場リーガル・コンプライアンスチーム 植木雅広参事役)」との評価を頂いています。
本実証研究の成果をもとに、デリバティブ契約業務への本格的な適用に向けて、みずほ銀行とNRIは引き続き連携し、有効性の検証を進めます。
NRIは、今後も人工知能やRPA*3などの先端技術を活用した取り組みを通じて、さらなる業務の品質向上と効率化を実現し、金融業界の発展に貢献していきます。
*1 ISDA契約書
国際スワップデリバティブ協会(ISDA:International Swaps and Derivatives Association)が作成した、デリバティブ取引の際の基本契約書の様式を指す。本実証研究では、ISDA様式の基本契約書、担保契約書およびその修正版(アメンドメント契約書)を対象にした。
*2 iManage RAVN AI Platform
英国ロンドンに本社を置くソフトウェア企業であるRAVN Systems社が、自然言語解析や機械学習の機能を持つ人工知能を搭載し、法律事務所や金融機関などに広く提供してきた文書の自動読み取りや要約を行う認識エンジンプラットフォーム。2017年5月24日に、RAVN Systems社が、世界65カ国以上でAIを用いた法務・経理等に関する文書管理サービスを提供するiManage社に買収された事に伴い、製品名称がiManage RAVN AI Platformに変更された。製品に関する詳細は、https://www.ravn.co.uk/products/applied-cognitive-engine/ を参照。また、iManage社については、https://imanage.com/ を参照。
*3 RPA(Robotic Process Automation)
マウス操作、システムへの入力、メールの送受信、Excel等のデータファイルの操作など、PC上で人間が行う各種操作を、人間に代わって人工知能や機械学習等を含む認知技術を活用して代行・代替する取り組みを指す。
詳細は http://fis.nri.co.jp/ja-JP/service/keyword/2017/201702.html を参照。
【ニュースリリースに関するお問い合わせ先】
株式会社野村総合研究所 コーポレートコミュニケーション部 若林、瀬戸
TEL:03-5877-7100 E-mail:kouhou@nri.co.jp
【ソリューションに関するお問い合わせ先】
株式会社野村総合研究所 金融デジタル企画一部 櫻井、丹羽
E-mail:wstech_info@nri.co.jp