国際規格に基づく放射能検査業務を行っている「株式会社 八進(本社:愛知県刈谷市 代表:加藤弥純門)」が、中国向け輸出に特化したサービスを展開していくことを、2017年7月25日に決めました。概要は八進が運営する輸出支援サイトである「八進トレード(hasshin-trade.com)」の専用ページから確認することが出来ます。
東日本大震災以降、日本産食品に諸外国から輸入規制が掛かりました。震災から六年が経過し、規制が緩和されている国や地域もありますが、放射能に関する規制は根強く残っています。その代表格ともいえるのが、中国となります。
中国は現在、10都県(*1)の全ての食品について輸入停止措置を取っており、10都県以外でも野菜や茶葉などの食品は「放射性物質検査証明書」が求められます。しかし、この「放射性物質検査証明書」の様式が日本側と中国側で合意が成立しておらず、事実上、一部産品の輸入停止状態が今なお続いています。そうした中、八進ではその「放射性物質検査証明書」に代わって通用する、放射能検査報告書を作成することが出来ます。
その鍵は「様式(ルール)」にあります。中国の輸入規制の問題は、日本と中国で「放射性物質検査証明書」の様式が整っていないことにあります。しかし、国と国との間で定めた様式ではなく、国際的に強制力のある様式であれば、多国間で取引を行うことが可能です。そこで登場するのが、国際規格であるISO17025となります。
「ISO(国際標準化機構)」はスイスのジュネーブに本社を置く、国際間の取引をスムーズにする為の共通基準や規格を定める組織です。2万近くある規格は工業製品や食品安全、農業、医療と全ての分野をカバーし、日本工業標準調査会 (JISC)も加盟しています。ここで定められたISO番号が付いた規格は国際規格として機能し、WTO-TBT協定(*2)に基づき、WTO加盟国間で通用します。これは放射能の分野をカバーするISO17025も同様となります。
「株式会社 八進」は東日本大震災後の8月に設立し、2013年3月にはISO17025の認定【*ISO/IEC 17025(2005)認定(PJLA認定#75055)】を受け、翌年には農林水産省の「諸外国に輸出される食品にかかる放射性物質検査機関一覧」にも登録されました。以降、国内流通や輸出時に必要となる日本産食品の放射能検査を行ってきました。
今回、中国向け輸出に特化したサービスを展開していくのは、中国向け輸出に関する問い合わせが多く、輸出に問題を抱えている業者に自身のサービスを知り、輸出に役立てて貰う為です。そこで、八進ではメディアからの取材を広く募集しています。放射能関連の貿易や輸出入に関心のある方は、お気軽に担当者までご連絡下さい。
*1:10都県 【福島、宮城、茨木、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、新潟、長野の9の県と1の都】
*2:WTO-TBT協定 【貿易の技術的障害に関する協定。一括受託協定であり加盟国全てに対して、強制規格、任意規格、適合性評価手続について適用することを求め、規格類を国際規格に整合化することで、不必要な貿易障害を取り除くことを目的としている。範囲は検疫に関する一部のものを除き、工業製品や農産品を含む全ての産品について適用し、その運用に関しては内国民待遇及び最恵国待遇を付与した上で手続き等を義務付けている。】
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■登録・認定
〇農林水産省
「諸外国に輸出される食品にかかる放射性物質検査機関一覧(平成29年5月1日)」
http://www.maff.go.jp/j/export/e_shoumei/pdf/170501_laboj.pdf
*愛知県の欄より「(株)八進」
〇「ISO/IEC 17025(2005)認定(PJLA 認定#75055)」
「PJLA's Listing of Accredited Labs」
http://www.pjlabs.com/search-accredited-labs
*search欄より「hasshin」で検索
〇試験項目
ヨウ素-131、セシウム-134、セシウム-137
〇対象品目
食品等、肥飼料、環境試料
〇検査
ゲルマニウム半導体検出器を用いたガンマ線スペクトリメトリーによる核種分析
■ホームページ
「株式会社 八進」(食品や土壌などの放射能測定)
https://gamma-spectrometer.com
「八進トレード」(国際規格に基づく放射能検査)
https://hasshin-trade.com
■本件のお問合せ先
株式会社 八進:加藤・小林
電話:0566-21-0350
FAX:0566-91-5535
E-mail:info@gamma-spectrometer.com