運輸デジタルビジネス協議会(幹事長 株式会社フジタクシーグループ 代表取締役 梅村尚史)は、本日4月20日に、設立後初の公開イベント「TDBCフォーラム2017」を開催し、これまでの活動および取り組みとして、「映像とデータを活用した事故防止の取り組み」、「故障診断データによるエコ、安心の実現の取り組み」、「乗務員の健康と安全の取り組み」などの事例や実証実験の内容を報告しました。
■映像、データを活用した事故防止の取り組み
すでに、幹事会社である株式会社フジタクシーグループでは、ドライブレコーダーで取得したヒヤリハットの映像や走行データ、事故の履歴データなどを活用した安全教育により3年間で25%の事故の削減を実現しています。その取り組みを協議会として共有し、今後協議会メンバー向け安全教育実践例の勉強会の実施や教材としてヒヤリハット映像の共有などを予定しています。
また、安全教育に必要となるヒヤリハットの映像および走行データの取得についても、サポート会員の協力により特定のメーカーの製品やサービスに依存することなく、できるだけ既設のカメラなどを利用してすぐに安全教育が実施できるように、メーカー間のデータ変換の仕組みや標準化、AIによる映像からのヒヤリハット場面の抽出などの実証実験を今後進めていく予定です。
この取り組みでは、ICT技術を持つサポート会員と事業者会員の安全教育のノウハウを組み合わせて、協議会としての新しいソリューションの提供を目指します。
■故障診断データによるエコ、安心の実現の取り組み
今後の車両の予知保全に繋げる取り組みとして、サポート会員企業4社で故障診断データを利用したエコ、安心の実現に向けた実証実験を実施しています。
この取り組みでは、過去の故障診断データや走行データから、データ分析により事前に故障を予知し、修理に必要な部品の特定、部品在庫の確認や部品手配、最終的には整備工場を手配することで、車両故障が発生する前に整備、修理し、運休などによる業務への影響の最少化を目指しています。
また、今回の実証実験では、車両故障だけではなくエンジンの排気系に着目し、燃費悪化の要因となる過去の故障診断データから、事前に整備、修理することで燃費の改善、エコロジーに繋げる取り組みも行っています。
これらの取り組みは、複数のサポート会員が連携して、サポート会員の持つ、それぞれの技術やソリューションを組み合わせて、事業者に新たなソリューションとして積極的に提案していくとの取り組みです。
■乗務員の健康と安全の取り組み
幹事会社の1社であるP&J株式会社では、昨年、車両の走行データとパッチ式の生体センサーを使ったヒヤリハットとその時の体の状態との相関分析や、乗務員の心(気質)と運転特性の相関分析などを行っており、今回は、さらに着衣型生体センサーを活用した走行中の眠気やストレスなどの測定と実際の走行中の映像を活用した分析を実施しました。あわせて、走行データの取得も行っています。
また、これらの実証実験を経て、走行データを活用した日報作成などの業務の効率化を実業務として実施しています。
また、ICT以外の取り組みとして、株式会社フジタクシーグループでは、乗務員の健康状態や生活習慣などの約600人のアンケートの実施や、イオン飲料水や栄養補助食品などの摂取による効果の実証実験を行っています。ここでは、ICT以外のサポート会員の協力で実施しています。
なお、以上の内容は、本日のTDBCフォーラム2017の「協議会事務局セッション」で発表しました。また、TDBCフォーラム2017では、協議会の活動内容の報告のほかに、国土交通省自動車局自動車情報課 課長 長崎 敏志氏のご挨拶、AIや車と人とのコミュニケーションなどによる先進的な取り組みとしてソフトバンク株式会社 首席エヴァンジェリスト 中山 五輪男氏、当協議会の幹事でもあり、国連エコドライブカンファレンスの代表発起人である株式会社アスア 代表取締役社長 間地 寛氏にご登壇いただきました。
【運輸デジタルビジネス協議会ホームページ】
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運輸デジタルビジネス協議会 事務局 小島、石井、小野
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